過去ログ - ハルヒ「鬱だ、死のう」
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293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:19:00.84 ID:fBjePAhAO
 ハルヒはハルヒなりに色々と思うところがあったらしく、本日のSOS団活動は休止。

 ……本当ならこの時に俺が気づいてやれれば良かったんだが、放課後に宇宙人と対決が迫っている身にそこまで気を回す暇などなかった。

 朝倉の呼び出し時間まで適当に暇を潰した俺はノコノコと悪い宇宙人が待ち構える教室へと向かう。悪い宇宙人の運命を見届けるために。
以下略



294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:20:43.95 ID:fBjePAhAO
 ガラガラと教室のドアを開け侵入した先にいたのは人物は予定通り。

 俺を[ピーーー]ために待ち受ける宇宙人『朝倉涼子』だ。

 殺意を隠すつもりかはないのか抜き身のナイフを堂々と右手に握ってはいるものの朝倉委員長にしては表情は穏やかで、ナイフを持った右手もダラリと下ろしたままだ。
以下略



295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:22:08.01 ID:fBjePAhAO
「我等が創造主たる統合思念体の意思は一つではない。 私は急進派ということになってはいるが実際は更に複雑にいりまじった思念の元に我々、朝倉涼子や長門有希は創造された」

「君を殺害し情報爆発を起こそうなどという考えは急進派の中でも危険視されかねない考えだ。通常なら思いついても実行できない。涼宮ハルヒの出方がわからないのもそうだが、他の派閥に阻止され付け入る隙を与えかねないからだ」

 正直言うと話の半分も理解できない。だが、それでも一つだけ分かることがある。
以下略



296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:23:16.01 ID:fBjePAhAO
 それだけの覚悟、受け止められねば男じゃないな。

「わかった……人間皆死ぬときゃ一瞬。どっからでもいいぞ、こい」

 恰好つけてみたところで長門が助けにきてくれなきゃどうしようもないんだがな。
以下略



297:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:24:47.03 ID:fBjePAhAO
 そんなかっこいい台詞とともに颯爽と現れたのは無論SOS団団員兼文芸部部長長門有希だ、朝倉のナイフを素手で握って止めている痛くないのか……ところでSOS団団員兼文芸部部長長門有希って早口で三回言えるか? 

 言えたら大したもんだ、そうだなんだったら言えた人から抽選で20名に長門の手作り栞をプレゼント! 宛先は……!

「何をぼんやりしている!」
以下略



298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:26:24.90 ID:fBjePAhAO
 それを必要最小限の動きで処理していく長門を見て、さっきの長門の蹴りは俺をあれから守るためだったのだと遅まきながら理解する。

「戦術レベルの話だが、この空間では私の方が圧倒的に有利だ、どうする? 長門さん」

「朝倉涼子、この程度の自体はとうに予測されていた。つまり結果もまた……君の敗北、それ以外はあり得ない」
以下略



299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:28:27.66 ID:fBjePAhAO
 一瞬後にでも長門に降り注ぎそうな槍の群れを見て思わず長門に飛び付き床に押し倒そうとする。

「な、キョン!? なにをバカな……」

 そう冷静に考えればこれは俺の失態だ、長門は朝倉より強いらしいし、長門にはどうやら朝倉には絶対に負けないという自信と根拠があるらしい、そんな状況では護衛対象が自ら朝倉の攻撃を受けようとしたりしなければ長門が負けることなどありはしない。
以下略



300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:30:39.67 ID:fBjePAhAO
 自分の間抜けな悲鳴とこんな時まで無意味に饒舌な長門の長台詞を聞きながら地面……そういやこの空間は本当は教室だったんだっけ? なら地面じゃなくて床か……に倒れこむ。

「キョン、君は結構重いな。それとも男性は皆こんなものなのかな?」

 長門は俺の重さに驚いたらしいが俺は腕の中の長門の想像以上に華奢でか細い体に驚いていた。畜生、俺はこんな長門に守ってもらおうとか考えていたのか!? 情けなくて涙が出てくる。
以下略



301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:32:04.39 ID:fBjePAhAO
 ――何か全てが止まったような気がした。否、その瞬間、確かに全てが静止している。

「……ここまで、だ。朝倉涼子、この空間に仕込んでいた崩壊因子が既に効力を発揮している。勝敗は決した」

 そう腕の中の長門が静かに告げた次の瞬間。めまぐるしい光の粒たちが空間を駆け巡り、俺たちを取り巻いていた異界はあっさりと消滅し、ふと気付くとそこは夕暮れの赤に支配された慣れ親しんだ教室だった。
以下略



302:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)
2011/05/09(月) 22:34:49.90 ID:fBjePAhAO
「……すまない、気を悪くしないで聞いてほしい、朝倉涼子。君はなぜ生きている?」

「……私が知りたいぐらいだよ」

 朝倉はそう言ったきり絶句すると床にヘタリと座りこんだ。
以下略



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