過去ログ - ヴェント「私の背中はアンタに預ける」
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437:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:38:55.77 ID:hM5mGqBDO

つまりこの冷たい感覚は雪。ていう事は視界が真っ白なのも雪か。
おそらく直撃を免れなかった『一掃』を生身で受けた所為で、意識を刈り取られて地面に体が投げ飛ばされたのだろう。
だとしたら自分は倒れている。
どうりで全身が冷たい訳だ。
以下略



438:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:39:43.02 ID:hM5mGqBDO

確認したい。その一心で己を叱咤する。必死に筋肉に動けと命令をかけるが、一向に聞く気配は見られない。
矢張り受けたダメージの蓄積量が甚だしいのだろう。無視を出来ない程に。

……どうやら首は動かせられるらしい。
以下略



439:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:40:29.01 ID:hM5mGqBDO

しかし、彼の焦燥感を駆り立てているのは、ヴェントが仰向けに倒れているため、顔が見えるのだが―――彼女の表情が安らかに眠っているように見えたから。

違うかもしれない。
見誤りかもしれない。
以下略



440:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:41:19.56 ID:hM5mGqBDO

全身に激痛が迸ろうが、蓄積されたダメージが尋常じゃない量だろうが……関係無い。
筋肉が働かないだろうと何だろうと―――そんな程度の足枷で、上条当麻が彼女の下へ駆け寄られない理由にはならないのだ。

と言っても、当然フラフラである事には間違いない。生きているのが不思議で仕方ないのだから。
以下略



441:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:42:48.56 ID:hM5mGqBDO

右腕は相変わらず動かない。代わりに左腕で彼女の首に手を添え、脈を診る。



以下略



442:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:44:34.40 ID:hM5mGqBDO

ヴェントは、ガブリエルと上条当麻の戦いに一切関係の無い人間。自分達の戦闘に巻き込まれた、云うなれば被害者である。
彼女が上条当麻と共闘して、ガブリエルを討つ理由など更々無い。
にも拘わらず、ヴェントは逃げる訳でも黙って見てる訳でも無く、憎き相手のはずの上条当麻に背中を預け、共闘を自ら進んで言及した。
何処にも手を貸す理由は無いはずなのに……。
以下略



443:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:46:02.98 ID:hM5mGqBDO



「…… Mi …… scusi」

以下略



444:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:47:40.70 ID:hM5mGqBDO



言葉から察するに、彼女は悔やんでいる。
弟を守れなかった事を。
以下略



445:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:53:26.76 ID:hM5mGqBDO


弟がどんな気持ちで助けて欲しいと医者に言ったかを。その頃の自分は寸分の狂いも無く、気付いていたのだ。
故に幼き少女は苦しんだはず。弟を犠牲にして自分が生きて良いはずがない、と。
でも弟は自分に生きて欲しいと願った。じゃあどうすればいい? 自分の葛藤を打破する活路は何処にある?
以下略



446:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 03:57:59.56 ID:hM5mGqBDO


たった一言二言の寝言の呟きに、上条当麻は全てを把握した。
ヴェントの事情を関知している彼だからこそ、瞬時に理解したのだ。

以下略



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