128: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/03/03(木) 22:29:33.08 ID:Qa7CywZDo
◆ ◇ ◆ ◇
一時間もかからなかった。
上条の手にはしっかりと新しい携帯が握られている。
「いやー、ちゃんとバックアップしておいた昔の上条さんを誉めてあげたい気分ですよ」
携帯自体に保存してあったデータは吹き飛んでいたものの、万が一を思ってセンターに預けておいたことが幸いした。
写真やメールなどのデータはどうしようもなかったが、最低限の電話番号やメールアドレスが復旧できただけでもマシと言えるだろう。
「いちいち全員に連絡先を聞くとか馬鹿みたいなことしたくねーしな」
「分かる分かる。結構面倒よね、あれ」
図らずもボロボロだった携帯が最新機種になった事を内心で喜びつつ、上条はそっと鞄へとそれを戻す。
現状、二人はアテもなく歩いている。
美琴が少し申し訳なさそうな顔をしているくらいで、交わす会話も何となくの下らないものだった。
「そうは言っても、あんまり連絡先とか多い方じゃねぇからマシだとは思うけど」
「私も多くはないなぁ……黒子とかは大変みたいだけどね」
相槌を打つようにして、上条の言葉を受ける。
上条はともかくとして、美琴はあまり友人が多い方ではない。
「白井か……風紀委員だもんな」
「そ、あちこちの支部とか関わった施設の人とか、交換しておくらしいわよ? 使うかどうか分かりませんのに、ってボヤいてた」
「ふーん」
「情報化社会、とか言って便利にはなったけど、それで――――――っ!?」
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