232: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/05/14(土) 16:55:07.87 ID:8FqggmgBo
「ア、アンタッ!!」
美琴の悲痛な叫びが響く。
一方通行の右手がミサカ9982号の左腕を捕らえる。
ずぶずぶと、その手が沈んでいく。
「あァ?」
「う、ああああっ!!」
表情をあまり変えることのないミサカ9982号も、苦痛によって顔をしかめる。
ぐちゅぐちゅと一方通行の握る手の隙間から、赤い血が噴き出す。
「や、あ、ああ……やめっ」
ブチブチブチッ、という嫌な音が聞こえる。
引き裂くような、千切るような、もぎ取るような。
ぼとり、と。
残酷な音がした。
ゆらゆらと明滅するミサカ9982号の視界に、真っ青な顔をした美琴の視界に、地面に落ちた左腕が飛びこむ。
「抵抗しなけりゃ一瞬でラクにしてやろォかとも思ったンだけどな……」
トンッ、と一方通行が地面を踏む。
それに一瞬遅れて、地面に敷き詰められた砂利が爆発したかのような勢いで飛び散る。
その爆風にも似た衝撃によって左腕を失ったミサカ9982号は後ろ向きに吹き飛んでいく。
「ぐぅっ!?」
吹きとんだ彼女の体を受け止めるように、美琴が落下点へと回り込む。
全身を使っても勢いを受けきれず、妹の身体ごと後方へと転がっていく。
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