275: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/05/21(土) 22:01:55.17 ID:rSOcrOj0o
「ハッ……正義のヒーローにでもなったつもりかよ? ならなンだァ? 俺をぶっ飛ばしてこの実験を止めりゃァ、お前の勝ちってわけだ」
そういって一方通行は苦笑する。
一番の当事者であるというのに、ましてや目の前の少年は自分を殴り飛ばしに来たというのに。
それを理解した上で、彼は笑う。
「違う……お前も助けだして、それでやっと俺の勝ちだ」
「…………はァ?」
『馬鹿じゃねェのか』と、言葉が漏れる。
何を言ってるというのだろうか。
一方通行の顔に困惑が混じる。
目の前にいる少年の、上条当麻の表情は崩れない。
あくまで本気で言っているようだった。
「こんな下らない実験を止めて、御坂達を助けだして、その上でお前もこんな地獄から引っ張り上げてやる」
「オイオイ、お人好しも大概にしとけよ、三下ァ……ここは悪役の俺をぶっ飛ばして華麗にエンディング迎えるとこだろォがよ」
一方通行は信じられないような顔だった。
上条の言っている事が理解できない。
昔馴染みであるとはいえ、大量殺人犯である人間を、助けだすと言ってるのだ。
「おかしいだろォが! いくら昔からの知り合いとは言え、情けをかけられる覚えはねェぞ!!」
「お前だって……こんなことしたくねぇんだろ?」
上条の言葉に、一方通行の目が見開かれる。
反射の壁どころか、全てを突き抜けて直接胸の奥に突き刺さってくるような言葉に、声が出なかった。
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