332: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:30:47.35 ID:e3d7NYMPo
ベッド脇のパイプ椅子に座る上条を睨みつける。
それでも上条は昨日と違って、柔らかな笑みを浮かべていた。
そんな顔がまた、一方通行をイラつかせるとも知らずに。
「なぁ、鈴科」
「なンだ」
ぶっきらぼうに答える。
無視しても良かったのだが、恐らく返事をするまで帰ってくれないだろう。
(昔から変なとこだけはうるせェヤツだったな、そういえば)
「これ、まだ持っててくれたんだな」
上条は棚に置かれた細い鎖を持ちあげる。
その先に吊るされているのは黒い指輪。
ちょうど、上条が首から下げているものと同じデザインだった。
「………うるせェ」
「なんだ、照れんなよ」
「うっせェンだよ、三下ァ!!」
掛けられていた薄いシーツを吹き飛ばすような勢いで、一方通行は上条へと噛みつく。
だが、その目に敵意はなく、上条としても懐かしく思えた。
「お前さ………これからどうするつもりだ?」
「どォいう意味だ?」
乗り出してしまった身体を迷わせ、一方通行は仕方ないといった調子でベッドへと戻る。
「ミサカ……アイツに聞いた話だけど、あの実験は完全凍結になるみてぇだしよ……」
「ハッ……俺はクビってわけだ」
「そういう話じゃねぇよ」
「お前に心配されなくても、身の振り方くれェはなンとかする……」
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