322: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:23:22.15 ID:e3d7NYMPo
4
「何があったか……それをテメェに話して何になンだ? 今までの事がチャラになンのか?」
323: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:24:33.58 ID:e3d7NYMPo
「変わったんだよ……あれから何年経ったと思ってやがる。青くせェガキみたいだった頃の幻想を、いつまでも大切にしてんじゃねェぞ!」
一方通行は絶叫する。
心の奥にある、僅かな希望や光を掻き消すように。
324: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:25:23.89 ID:e3d7NYMPo
「だったら、もう一度思い出させてやるだけだ」
ギリッ、と奥歯を噛みしめると、上条は一方通行へと突撃していく。
頼れるのは右拳のみ。なんとかして近付かなくてはならない。
325: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:26:20.29 ID:e3d7NYMPo
ヒュンヒュンと舞うレールが幾重にも重なって上条を襲う。
雨のように降り注ぐそれを寸でのところでかわす。
だがそれは、上条の運動能力が優秀で回避しているというよりも、ギリギリ回避できるように計算され尽した攻撃のようだった。
326: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:27:05.69 ID:e3d7NYMPo
荒い息で、震えてしまいそうな声で、上条は一方通行へと告げる。
震える身体を支え、真っ直ぐ、紅い双眸を見据える。
迷いなどなかった。
ここに、この実験に飛び込むまでの間に覚悟は決めていた。
327: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:27:54.13 ID:e3d7NYMPo
(そういえばコイツ……その時もおかしかったよな)
攻撃にキレがない。
手加減、と言えばそれまでかもしれない。
328: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:28:24.25 ID:e3d7NYMPo
再び一閃された上条の拳が、正確に顎へと刺さる。
後ろ向きに飛んだ一方通行の身体を見送り、上条は肩に溜まった力を抜いた。
「ちょっとは目、覚めたかよ……」
329: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:28:51.80 ID:e3d7NYMPo
上条の言葉は淡泊だった。
感情すらこもってないのではないかというような、冷たいものだった。
「お前の、鈴科の意思はどうなのか、って聞いてんだ」
330: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:29:37.71 ID:e3d7NYMPo
一方通行の腕を右手で掴みとる。
乱暴にその腕を払い、強引に隙をつりだす。
「この、馬鹿野郎!!」
331: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/06/08(水) 20:30:11.75 ID:e3d7NYMPo
終章 名前 Do_you_think_about_me?
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