過去ログ - 一方通行「お前……上条か?」
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51: ◆XtjOmDyc46[saga sage]
2011/02/19(土) 20:08:05.36 ID:qw7dATgRo

 溜息一つ。
 確かに道の真ん中でぼーっとしていた自分にも非はあると思うが、それ以前に人一人立っているだけで通れなくなるような道ではない。
 むしろ、女子中学生さんのちょっとした団体様御一行でも十二分に歩けるほどの道幅が用意されている。

(やれやれ、最近の中学生ってのは……まぁ、俺もそうだけどよ)

 大人な女性の余裕ある姿を見た後だからか、その差を強烈に感じて上条は肩を落とす。

「アンタ、文句あるなら口で言ったら?」

「うげ………見てたのかよ」

 もう行ってしまったと思った先程の女子中学生がこちらを―――見てはいなかった。
 歩みを止めてはいるものの、こちらに背を向けたままだ。
 もちろん、こちらの様子を窺った後で踵を返した可能性だってある。
 だが、それこそ無意味だ。そんな事をしてまで、上条に背を向ける意味がない。

「確かに私の口も悪かったとは思うわよ。でも、何もそこまで肩を落とすことないんじゃない?」

 彼女は上条の方へと身体を向けると、さっきの不満そうな顔のまま口を開く。

「あー、そうだな……」

 気まずい空気に気圧されつつも、上条は彼女の姿を見る。

 肩まである茶色の髪。
 美人と呼ぶには年齢的に少々幼すぎる気はするが、それでも十二分に整った顔立ち。
 そして極めつけは、灰色のプリーツスカート、半袖のブラウスにサマーセーターという服装。
 『学園都市の外』に放り出せば、なんてことのない女子中学生にしか見えないが、ここでは違う。

 その制服が示すのは、彼女が常盤台中学の学生であるということ。
 全人口の八割が学生であるこの街の中でも、一、二を争うほど有名なエリート校である。
 最低入学条件が『レベル3以上』であり、学園都市にも七人しかいないレベル5の『超能力者』を二人も擁する超名門校だ。
 当然、目の前にいる彼女もレベル3以上の能力者であり、レベル0の『無能力者』である上条からすれば雲の上のような存在だ。
 それを考えれば、背を向けながら上条の態度を『見れた』のも納得がいく。

「透視能力者かなんかまでは分かんねぇけど、こんな時間に常盤台のお嬢様が一人で歩いてるのは色々とマズいんじゃねぇの?」



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