過去ログ - 一方通行「お前……上条か?」
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53: ◆XtjOmDyc46[saga sage]
2011/02/19(土) 20:09:40.92 ID:qw7dATgRo

「大人数に囲まれたら、って?」

 挑発的な笑みを浮かべる彼女は、その細い右手を自分の前に持ってくる。
 バチィッ! と、聞き間違いではない高音が上条の耳にも届く。
 青白い火花。
 心臓に悪い高音。
 雷のような閃光が、彼女の手の中で踊っている。

「お前、『電撃使い』だったのか………」

「そ。電磁波をソナー代わりに利用すれば、自分の見えてないところで何があるかも分かるってわけ」

 勿体ぶるでもなく、発表するようでもなく。
 淡々と、少女は技のタネを明かす。

 その様子は、あくまでそれが自己の能力の付加価値にしか過ぎないと。
 自らの能力の一端でしかないと。
 言外にそう言っているようにさえ見えた。



 余裕綽綽。


 
 そう言わんばかりに、彼女は笑っている。

「お前、まさか……」

 上条は息を飲む。ゴクリ、と。近くにいる少女の耳にも届くくらいの音を立てて。
 話くらいは聞いたことがあった。
 常盤台にいるという『電撃使い』について。

 否。

 恐らく、学園都市で彼女の名を聞いたことのない人間などいないだろう。
 レベル1の何でもない『電撃使い』から、特別な名前がつくほどの『超能力者』まで駆け上がった努力家として。



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