92: ◆XtjOmDyc46[saga]
2011/02/23(水) 19:57:36.71 ID:tiOfvahqo
◆ ◇ ◆ ◇
「昼も夜も実験実験、ってなァ……」
上条と美琴が翌日の約束を取り交わしていた頃だった。
パンパン、と埃をはらうように手を数回叩く。
一方通行の立っている周りは鮮血に彩られていた。
「あと何回だったかなァ……」
コキコキ、と首を回す一方通行は真っ白だった。
返り血の一滴どころか、傷やほこりさえも付いていない。
そんな地獄絵図のような空間に、一人の女が姿を現す。
「ふーん、これが噂の『一方通行』ねぇ?」
「あァ? 誰だ、テメェは?」
一方通行が振り返った先。そこにいたのは―――
「麦野沈利、って言えば分かるかにゃーん」
「………第四位か」
殆ど興味なさそうに、『一方通行』は『原子崩し』を見る。
剃刀のような赤い目と、挑発的な茶色い目が交わる。
「思ってたよりも白いんだね、百合子ちゃん?」
神経を逆撫でするかのような声で、麦野は一方通行へと食ってかかる。
興味なさげにしていた一方通行も、その時初めて麦野沈利に対して感情を見せた。
「何言ってやがンだ、テメェ?」
「あれー? 第一位は実は女の子、って噂はガセだったのかな?」
「くっだらねェ……なンなンですかァ? 俺がスカート穿いてる姿でも想像して興奮したとか言うンじゃねェだろォな?」
一方通行がイライラを示したことがそんなにおかしいのか、麦野はニマニマと表情を緩めていく。
まるで年下をからかうようなその仕草は、第一位に対して向けられているものとは思えないほどだった。
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