149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/02(水) 20:45:24.13 ID:l22pbCWv0
彼は言い終えると、私の反応を待った。
きっと彼はこの1週間、悩み続けてきたのだろう。
苛まされてきたのであろう。
痛いほどに響いた。
でも。
「あのね」
「私が言ったこと、覚えてる?」
それはいつか彼に向けて放った言葉。
私たちが付き合うきっかけとなった言葉。
殻に引き篭もってしまった彼を、救い出した言葉。
「私は、当麻の食事も運動も着替えも下の世話も」
「なんだって尽くしてあげたい」
「求められるものは全て与えたい」
一呼吸置き、あの時と同じ様に言う。
「それが、私の愛だから」
ポケットに入れておいた小瓶を取り出し、テーブルの上に置く。
突然持ち出された小道具に、彼は戸惑いを見せる。
なぜなら、それは彼も使ったことのある小瓶だったから。
中身はパソコン部品。
「当麻がどう思ってくれてるのかは知らない」
「でも私は当麻に求められたい」
「だから、今日は夕飯にこれを入れる」
卑怯だと思う。
あらかじめこんなものまで用意して。
彼の言い分はなにもかも無視している。
「それが私の答え」
「当麻は私を壊せばいい」
「嫌だって言うのなら、私が、私を壊させる」
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