過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
1- 20
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/23(水) 05:30:18.97 ID:PpVfCaewo
 校長室は広大な空間だった。悪趣味な、広大な空間だった。
 部屋に入って来た『忘れた』はずの男を見ても、アウレオルス=イザードに表情らしきもの
はない。
「気づいたか、私の目的に。よもや止めはしないだろうな?」
「いいや、止めるね!」
 キメ顔で宣言するステイル。目の前の男に引導を渡すのが、愉しみでならないのだろう。
「貴様、あの子を救うのがこの私であることが、そんなに気に喰わないか。嫉妬に目が曇ると
は、愚かなり」
「ざーんねーん。君の努力はちょーっとだけ、足りてなかったんだなぁ」
「何が言いたいのだ貴様。私が、私だけが辿り着けた、このアウレオルス=イザードが成し遂
げた、『黄金練成』による吸血鬼式記憶容量拡張術の何が不足だと……」
「足りなかったのは『時間』だったんだYO!」
「何……だと……!」

 そこで、満面の笑みをわずかに軋ませつつ、ステイルが上条を指名する。
「さあ、言ってやりたまえ、上条当麻!」
「インデックスは俺が救った!」ドヤァー。上条も大概である。
「馬鹿な……」
「あぁ、信じられないだろうねえ。あり得ないよねえ……」
 刹那、偽りの笑みを拭い捨ててステイルが爆発する。
「僕だって、僕だってねえ! 信じたくなんかないんだよ! こんなッ、魔術師ですらない東
洋の猿がッ! 僕の大事なあの子を! 同棲! シングルベッドで二人! 畜生っ! 絶対に
許さない! だからッ……、せめて、君に、同じ無念……を、味……合わせ……ッ。ひぐぅ」

 ステイルが、壊れた。

「……………………ウヲァァアアアオオオアアッー!」
 十四歳らしいヤケクソっぷりでルーンをばらまき、絶叫するステイル=マグヌス。

「世界を構築する五大元素の一つ!
 偉大なる始まりの炎よ!
 それは生命を育む恵みの光にして!
 邪悪を罰する裁きの光なり!
 それは穏やかな幸福を満たすと同時!
 冷たき闇を滅する凍える不幸なり!
 その名は炎! その役は剣!
 顕現せよ!
 我が身を喰らいて力と為せェッ!!」

 轟! という爆音と同時に『邪気眼』、もとい『魔女狩りの王』が爆誕する。
「やれっ、『魔女狩りの王』! こいつを殺れ! この世に塵ひとつ残すな!」
 ずびし、と、指差し示すは上条当麻、男の敵である。

「え?」と、上条。
「え?」と、カズマ。
「え?」と、アウレオルス。

 完全に攻撃色に染まったステイルの目。怒りに我を忘れている。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
202Res/279.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice