過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/22(火) 02:03:35.92 ID:/pndMPNTo
「見えますか? その、喉の奥です」
 赤黒い粘膜に刻まれた、漆黒の紋章。これが――
「こんなもんで縛りつけやがって……ぶっ壊してやる!」
 少女の口の中へ滑り込む上条の右手。その手が紋章を捉える。
「ッ……がッ!」
 火花の弾けるような感触と同時に、上条の身体が吹き飛ばされる。右手から鮮血が飛び散っ
ている。
「上条ちゃん!」
「当麻!」
「……大……丈夫だ」

 ゆらり。眠っていたはずのインデックスが上体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。静かに開
かれる両目。しかしそこに見なれた翠玉の光はない。あるのは禍々しく紅く光る魔法陣。それ
が、二つ。

「危ねえ!」

 ゴッ、という衝撃と共に上条の身体がちゃぶ台に向けて飛び、それをひっくり返して転げる。
同時に炸裂する爆発音。見れば、小萌先生を抱えたカズマの右腕が、インデックスの視線の先
でブスブスと燻っている。赤と金の装甲に覆われた、異形の腕が。

「カズマ!」
「おい。ちょっとここ、頼めるか? 先生を避難させる」
「任せてくれ!」
「衝撃のォファーストブリットオォ――」
 ボロアパートの天井を盛大に吹き飛ばしつつ、二人の姿が虚空に消える。
「美味しいとこ持って行きやがって……。つうか、何だよあの威力は……」
 痛みに笑う膝に喝を入れ、血の滴る右手を構え、立つ。その無惨な様相、しかし煌々と輝く
上条の双眸は、狂喜を宿している。

「警告。『首輪』の自己再生不能。『書庫』の保護を優先。侵入者の迎撃を開始します」

「……さあ、来い」

「魔術の組み込みに成功。『聖ジョージの聖域』を発動。侵入者を破壊、します」

 インデックスの両目の魔法陣が爆発的に広がり、彼女は音にならない歌を唄った。
 爆発。黒い光が空間を埋めつくし、引き裂く。その奥から――
 『何か』が亀裂の向こうから、近づいてくる。


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