過去ログ - 上条「ラストダンスは悲しみを乗せて」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/02(水) 19:46:59.67 ID:a+jCRixGo

 仕方がない。道なりに歩きながら、どうして自分がこんなことをしているかを考えてみることにした。

 ちょうどいい暇つぶしではある。予定がないので、暇など潰さなくても良いはずなのだが。

 そもそも自分は、いつから歩いていたんだろう。

 近頃では、教室でじっと座っていることが苦痛になってきた。胃がしくしくと痛んで、呼吸が徐々に苦しくなってくる。

 もちろん、少し経てば落ち着くのだが、クラスメイトたちに心配されて訊ねられても、上手に答えることはできない。

 いわばこれは、精神的なものが原因なのだ。

 成績に関して、担任の月詠小萌に呼び出されたことを思い出す。このまま行けば、なんとかギリギリ留年は免れそうだった。

 ただし、成績の方が芳しくないので勉強はしておいてくれというおまけ付き。

 理不尽だとは思わないが、どう生きても嫌なことからは逃れられないとは感じた。

 ざわつく人混みの中を縫うように歩いていると、自然とさまざまな場所からあらゆる音が聞こえてくる。

 人の声であるとか、マスク越しの咳であるとか、携帯電話の呼び出し音、ふと揺れた木々の声。

 街は音で溢れていた。

 そしてそれらに耳を傾けていると、自然と、自分がどこにいるか、どこを目指しているのか、分からなくなってしまう。



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