過去ログ - 長門「------の消失」
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26:松本晶[saga]
2011/03/04(金) 12:35:56.66 ID:8cQHTaIl0
 ガチャリ-------扉が開いて、ガラリ。空気が変わった。

「くつくつ------------さて、放課後だ。誰一人欠けることなく集まって重畳。いいかな?」

 皆一斉に、まだ聞き慣れない声を発する闖入者を見つめる。

「なんだい、あたかもまるでさも一見するとふと察するに、『幽霊を見たかのような』顔じゃないか」

「・・・・そうでもないわ。何か用、タイターさん?」

「せめてファーストネームで呼ばれたかったものだったけど。貴方たちには午前の間、振る舞いにだけ気を遣って貰いたかったの。

 だから放課後にもやって貰いたいことが有るというのは言ってなかったんだけど・・・・これも希望者参加制だから、身構えないでいいわ」

「それって、何にょろか?」

 鶴屋先輩は睨むように彼女を見る涼宮さんを押しとどめて、笑顔で友好的に問うた。

「くつくつ。涼宮さんはエキセントリックで私も好ましいと思うけど、やっぱり話し合いの席では損だと思うわ」

「貴方を信用しないわけじゃないけど、団員を護るのはいつだって団長の勤めなの」

「そういうところは、私には無い美点ね。やって欲しいことというのは全く難しくも変わったことじゃなくて、言わなくても貴方達は勝手にするんじゃないかしら-------そのぐらいのこと。

 こちらの世界でも、不思議探索を行って欲しいの」

「何よ、そんなの言われるまでも無いじゃない」

 涼宮さんは、団活に無意味に口を出されては団長としての沽券に関わるとでも思ったのかも知れない。怒っている訳ではないが、不機嫌そうだ。古泉君がそれをなだめすかす。

「いえ、涼宮さん。きっとこちらの世界では-------」

「!」

 聞いて何かに感づくなり、百万ワットの笑みを浮かべた涼宮さんが佐々木さんに迫った。

「ねぇ、もしかして!」

「理解してもらえたようで何よりだわ。そう-------この不思議探索は、単なる不思議探索じゃない。この世界には貴方の想像の翼の落としていった羽根そのもの。

 つまり、かつての貴方の思い描いた不思議が沢山溢れているの」

「・・・・たとえば?」

「そう言うほど大した物じゃないわ。物は季節外れに咲く桜。神社の境内で群れる数十匹の白い鳩。------喋るオスの三毛猫。

 他にもいろいろ有るけれど、後のお楽しみにしておく方が、いいんじゃないかしら?」

「喋る、猫・・・・・・。っかぁ〜〜〜〜っ!」

 タマラない、と言った表情で涼宮さんは拳を握って力を込める。

「SOS団の伝説は、ここから始まるっていうことね!」

 こうなったら誰も止めることは出来ないだろう。

 はぁ、やれやれ-----私は心の中で一人ごちた。


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