過去ログ - 長門「------の消失」
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49:松本晶[saga]
2011/03/05(土) 00:02:48.70 ID:NaU/bfWq0
 * * *

 ペラリ。・・・・ペラリ。ペラリ。

 やっぱり本は良い。

 古びた岩波。ちょっと白すぎて、子供っぽいかもしれないけど-------青い鳥。手に馴染む新潮・・・・角川は、あまり買わないな。

 ハードカバーも嫌いじゃないけど、文庫はそれぞれ特色があって好きだ。



 最初こそ人を避けるように入った文芸部だったけど、お陰で沢山の本を読むようになった。

 今ではこんなにも本の虜になった私が居るのだから不思議。彼の本、『ハイペリオン』は・・・・読んだし、嫌いじゃないけどちょっと怖いし取っ付きにくい。どうせなら好きになりたかったのだけれど。



 隣の古泉君はボード・ゲームの定石についての本を読んでいる。私と彼は普段こそあまり積極的に喋らないけれど、盤上では好敵手なのだ。

 対手が精進している時に趣味の本を----今日の私の本は、『上と外』だ-----読んでいるというのは少々気が緩んだ振る舞いかもしれない。

 けれど、構うまい。皆が来てくれてとても気分が良い今日の私。小説の世界に耽溺していたい気分なのだ。



 お茶を淹れてくれている朝比奈先輩。

『お茶汲みって言ったらこれでしょ!』

 などと言い、涼宮さんは断固メイド服を着せようとしたけれど(何で持ってきていたんだろう)、朝比奈さんはお茶の様子を見るからと言ってしれっと拒否していた。

 面と向かって押されると弱いけど、こういうのは得意なのね。

 一応読書週間の面目を保つべく、お茶の淹れ方のハウツー本を見ていた。



 パンケーキと、湯飲みに注がれた紅茶で優雅と言うより豪毅なティータイムを営んでいるのは涼宮さん。

 ニヤリと笑みを浮かべながら、食い入るように本に夢中になっている。

 背表紙を見ると・・・



『最後の事件』



 ・・・今度の合宿は、水場に気をつけておいた方が良いみたい。

 ペラリ、ペラリ・・・・・。

 * * *


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