過去ログ - 死んじゃわない彼女と夢見がちな僕等
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/09(水) 23:29:47.03 ID:G4Q6VOqs0

「あ、あはは……」
「頼まないのか?」
「持ち合わせがなくて、ね……」

そう聞くと黒木は少し恥ずかしそうに言った。
何だ、そういうことか。

「すいません」

注文を頼むべく、僕は近くを通りがかった伊藤を呼び止める。

「はいはい、ご注文はお決まりになりやがりましたか?」

店長に怒られて少し自暴自棄気味な伊藤は、かなり乱暴になった丁寧語で注文をとりに来る。
こいつの知り合いへの馴れ馴れしさには割りと慣れた。

「いちごタルト一つと、ミルクティー二つ」
「はい、いちごふふんふとふんふふふティーがふんふんですねかしこまりましたそれではお待ちください」

伊藤はメモを取りながら早口で注文を繰り返すと厨房へ戻っていった。
不真面目に見える奴だが、やることはちゃんとやる男だ……と願いたい。
すると、さっきまでぽーっとしていた黒木が、ぽつりと呟いた。

「きみ、いちごタルト好きなのかい」
「あー、甘いものは好きだなぁ。ははは」

そういうと黒木は少し恨めしそうな顔で僕を見てきた。……そこまで欲しかったのか。

「うー……」
「はは、そう唸るなって。全部奢るほど僕は気前がよくはないんだ」



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