過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/01(金) 06:37:24.70 ID:S6DZze8vP
頭の中で自らに毒づきつつ、後方の林めがけて吹っ飛ぶヴェント

数本の木をなぎ倒し、一際太い木の幹で派手に背中を打ちつけて、ようやく止まった

木の幹に腰が半分以上めり込み、彼女はうなだれる。そして目の前に立つフィアンマ

フィアンマ「イェスは事あるごとに涙を流したが、最後の晩餐の時に流した涙は、一体どういう理由で流したのかを」

重たそうに、ヴェントは顔を上げた

ヴェント「………私も十字教の一信徒だって事を忘れている、みたい、ね」

フィアンマ「おお、そうだったな。あまりにもお前の頭脳が残念だったので、俺様の言葉を理解できているか不安でな。忘れていた」

明らかに馬鹿にしたような発言をしたが、彼女はまだ動かない

フィアンマ「無論、学説にはいくらかある。だが、その涙の理由の一つは間違いない、ユダの裏切について。捉え方はいくらでもあるが、それが涙自体の対象であることは確かだ」

ヴェント「……それが、今と……どう、関係している、というのよ」

相変わらず、フィアンマの片目から涙は流れている

フィアンマ「仲間に裏切られて涙を流す。その形式自体は今の俺様も同じだと、思わないか?」

形式は似ている。それこそ、ちょっとした魔術の発生条件を満たすかのような

だがそれは、キリストを讃えるローマ正教徒であるヴェントにとっては最大の侮辱でもある。無論、主であるイェスに対してのものである

ミシィッ、と彼女が刺さった木から裂けるような音がした

音の発生源はフィアンマではない

ヴェント「まるで科学を信奉する連中が、聖書なんかの文献を表面上だけ見て、繕ったみたいな言い方をするじゃない」

ヴェント「そうやって、万物を、神すらも理解したみたいな口ぶり、気に食わない。結局何もできない癖に、気に食わないのよ。だからね」

一段と派手に、亀裂と音が生じる。そして音と同時に、彼女が刺さっていた大樹は真っ二つに裂けて左右に吹き飛んだ

ヴェント「我らが主のモノマネなら、正教徒としてもっと上手くしたらどうなの、フィ ア ン マよォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛!!!!!」

目の前で覗き込むように立っていたフィアンマに頭突きをキめて、後ろへグラついた彼の腹部をヴェントは思い切り蹴り飛ばした

今度はさっきと逆方向に、逆の立場でフィアンマが吹っ飛ぶ。その顔はまだ半分泣き、半分笑みを浮かべる

いつの間にかヴェントは吹き飛ばされた時に、明後日の方向へ転がっていったハズの自らの得物を握っていた


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