過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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165:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/19(火) 11:25:52.08 ID:lQtguuolP
金属製の壁と床と天井で覆われた空間の中を、自らの能力で都合のいい磁界を生じさせ、まるでレールを走る車両の如く少女の体は駆け回る。ただしそのレールは、彼女の思い通り自由自在だ

しかし、簡単にはいかない

電撃の槍をガラスめがけて移動しながら複数放つも、避雷針に落ちた雷の如くである。少々ガラスが変色した程度だ

そして壁を蹴って方向転換した進路上に、先程とは異なるもう一方の"盾"が現れ彼女の滑空進路を阻む

大体50km/hで動いている彼女の運動エネルギーで、金属らしきものの塊に正面衝突すれば、彼女の体がどうなるかなど自明の理だ

御坂「邪魔よ!!」

言いながらも、彼女はその"盾"を一瞬でどうこうする手段など持たない

時折何かと通信をしているようだが、基本的に自律的に動いている"浮遊する盾"。試作とはいえ、明らかに戦闘や特別な状況下で使われる事を考えられている兵器だ。電磁波を始めとした電磁耐性が無いはずもない

加えて、弾にしてはかなり小さいとはいえ、極音速の弾丸を受けとめるだけの機能を持っている。電磁砲も電撃の槍も通じないのでは、こちらからの手の出しようは限定される

だがこっちはそんな物の相手をわざわざしなくとも、部屋中央のガラス円柱を撃ち破って、中の基盤さえ壊してしまえば終わりなのだ

故に彼女は、殆ど目の前の"盾"の脇、壁と"盾"で挟まれた僅かな空間へ滑るように飛び込み、部屋の角の壁に張りついた

そのままサブマシンガンだったものから取り外した金属片を、"イェス"へ向ける

御坂「クッ」

だが、駄目だった。最初に御坂の超電磁砲を受け止め、盾の部分に波紋のような金属の皺を持った"浮遊する盾"が射線上にある

御坂(読まれてる。鬱陶しいわね)

そう思った、その時

少女の体軸が勝手に前かがみに倒れかけ、意思に反して足が張り付いていた壁を蹴り、体を前に跳躍させた

もし仮に、この動作がコンマ1秒でも遅れて、壁に張り付いたままならば、彼女は標本の虫の如く、壁に磔にされていただろう

残る一つの試作兵器、どうみてもただの小型の自走砲にしか見えないものだが、が、直径5cm、長さは1m程の槍を射出し、その槍が御坂の体が先程まで有った場所を通過して、全金属製の壁を粉砕させ、かなり大きな弾痕と言うよりクレーターを壁に作って、深深と刺さっていた

凹んだ壁からは、パイプや断線した電線が飛び出し、紫電が迸る

金属の棒に何か装飾が施されている? と彼女が空中で認識した直後、その槍を中心に光が生じた

気が付けばその壁には、最初にできたクレーターよりもよっぽど大きな半径で、ぽっかりと穴があいていた

溶けたのか、爆発で吹き飛んだのか、それとも他の何かがあったのか分からないが、確かにそこにあったはずの壁の一部が槍ごと消えていた

槍の射出による衝撃だけで人を殺すには十分なのに、どういう原理か、更にその槍は壁をさらに抉ったのだ


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