過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
1- 20
474:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/09(木) 21:24:18.91 ID:ngFbEDN1P
彼本人からすれば、それは苦痛の一言だっただろう

邪悪というには純粋に黒過ぎる炎が纏う生の肉体の部分。その、腕が、脚が、胸が、顔が

血管の中を、過多にも程が有る流れがうねる。圧迫された神経が全身から苦痛を伝え、しかも彼は御坂のように神経伝達を意図的にカットすることなど出来はしない

それでも、彼の血管などの、あらゆる体組織は崩れる事は無かった

流れているのは、膨大な"力"

フィアンマがステイルの胸の太陽から、僅かに残っていたステイルを圧迫しているのだ。体中の悲鳴に加えて、入ってくる"フィアンマ"

苦痛の一方で、その意識はステイルの意識と溶け混ざる。その副作用とも言うべきか

彼の頭脳に、フィアンマの思考が部分的に混じった

ステイル(そ、うか。君の、"終末の解決方法"……。その神髄は)

ステイル「……ああ。運が悪かったんだ、俺様もな」

声に出してステイルは笑いながらも、左肩口から生じたフィアンマの腕が一気に伸長し、繭の天井の"裂け目"へ到達する

しかし、やはりなにかが"繭"の中に満たされているようで、部外者の彼の動きを阻む働きをし、腕のコントロールに明らかな支障が生じる

その腕に加わる力があった。それは、"フィアンマの力"から離れた、ステイル自身の"炎に変質した腕"から伝わるもの

現に、フィアンマが操っていないのに、そのステイルの腕が嫌な感じに痙攣しながらも、しかし確かに裂け目に向けられている

ステイル「お前……」

ステイル(ほんの……些細、な、ものだ…ろうけど……。助力、する)

その言葉が伝わって、彼の口が、その両端が、少し上に吊り上がった

直後、ステイルの左肩から伸びた炎の腕が裂け目で変化を始めた。その先端から、"裂け目"を覆う様に炎が拡散していく

虹の噴出を抑えるのに長い時間は必要なかった

残るは、本体

ステイル「さぁて、ここからが問題だ」

正面には一人の人間らしき影。しかしそれに実体は無い。からっぽの、ホログラムのような透明感のある垣根帝督

その瞳は確実に妨害行為を行っている侵入者のステイルを捉えてはいるが、表情など無い

何もない、白く広い"繭"の中央に、ぽつんと立っている意識だけの塊――――

それが"救世主"だった


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1390.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice