過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[sage]
2011/08/16(火) 12:22:40.35 ID:o6qpCmN7o
トレーラーの近くで、薄汚れたタオルのようなもので顔をごしごしと拭きながら、腹の出たガタイのいい男性が車体の下を見つめている
その視線の先から、ガラガラとキャスターのついた台の上に仰向けに寝た少女が、同じように顔を汚して滑りながら現れる
「一応の処置は完了しました。これで動くはずです、とミサカは簡潔な報告をします」
「おおっ、マジか!? これで移動が再開できるな。んで、一体何が悪かったんだ?」
「複数箇所に傷や劣化が見られましたが、問題はなんらかの衝撃がシャーシを貫いたせいで、制御系にダメージが入ってしまったことかと思われます」
「うむむ、思い当たることが多すぎるわな。でもダメージって、今は動くんだろ?」
「はい、動くには動きますが、安全性・効率性を高める為のシステムを停止させた、純粋なアクセルオンとオフぐらいしか出来ません。強弱の利きも悪くなっているはずです」
「つまり、機嫌の悪いエンジンになっちまったってわけだな。なーに、ちょっと前までそんな車に乗ってたんだ、問題ねぇよ。さっきちょいと離れたところで使えそうなバッテリーユニットの付いた廃車を見つけたんだ。試走ついでに拾ってくら」
コンテナ車の部分が切り離され、牽引車の部分だけとなった車体がブロロロと音を立てて振動を始める
運転席の窓から男が腕を出してヒラヒラさせているのを少女は見送る
「お気をつけて、とミサカは手を振って見送ります」
神裂「すみませんが、あなたは学園都市の第三位、御坂美琴では? どうしてここに」
綺麗な布を手渡しつつ、神裂は尋ねた
「ありがとうございます。そして、ミサカはオリジナルの御坂美琴ではなく、コネチカットに派遣された軍用クローンの19772号です。本人では有りません」
神裂「クローン、ですか」
手渡された布で、顔の黒い汚れを伸ばすようにしてふき取る少女
彼女にもいろいろな事情があって今に至っているのだろうと考えられる
神裂「あ、これは、あちらの洞窟のなかで手直しをしている方からあなたへ、ということです。どうぞ召し上がってください」
「助かりました、ちょうど空腹が来ていたので。水をいただいても良いですか? とミサカは音を聞かれまいとお腹を押さえつつ尋ねます」
神裂「どうぞ。……しかし、あなたはどうしてこのキャンプに? ここの人たちは派遣先の施設の方々ですか?」
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