過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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86:復興支援してくれてる米軍さんの頑張りが頼もし過ぎる。クソ政府と違ってな![saga sage]
2011/03/29(火) 05:05:32.54 ID:d+Glc2LZP
取りつけながら、通常ならば多くの車と人間で溢れる広く大きな交差点と広い公園を挟んだ向かいに立つ魔術師たちの方へ歩んでいく

その動きを見て、彼の周りに有った兵達が彼を最前列に隊列を組んでいく

中には、拾った武器を持った一般市民の姿もある

ポシュン、と彼が炸裂弾を放つと、他の兵士も一斉に同じ動作をし、手榴弾や各種投擲弾、使わない銃の弾倉を魔術師たちの方向へ投げつけた

一斉にとも連鎖的とも言える、NY都市圏全土に響くのではないかと思えるような爆発音と、巻き上がった粉塵や煙幕がアメリカ軍とローマの魔術師部隊の間に生じた

「魔女狩りの時間だ、行くぞ野郎共!!!!!!!!!!」

指揮官の声に呼応して、一斉に言葉が放たれる

それらは、掛け声と言うよりは絶叫に近かった

その爆発を合図に、生き残っていた兵と武器を持った市民が突き進む

ドシュッ、という何かが体に刺さる感覚が先陣を切っていた中佐の頭脳に伝わった

胸には煙幕や土煙の中を突き抜けて飛来した金属の、恐らく銀か何かで出来た杭が深々と刺さっている

もし、一般歩兵ですら身につけているアーマージャケットを着込んで居れば、致命傷にはならなかった

しかし、彼はここまで来る間に、見ず知らずの一般市民の女性に渡していた

通常ならば、司令官である彼がそんなことをするべきではない。そんなことは十分に分かっている。それでも渡したのは、彼の周りにいる兵たちに渡すさまを見せることで、この行軍が玉砕するであろうと伝える為でもあった

故に、ここに残った者たちは既に覚悟は完了している

彼は刺さった衝撃で仰向けに倒れ込み、自らに刺さった杭に触れる。太い。仮に抜いても助からない

周りを見る。有るのは勇猛果敢に突っ込んだ味方の死屍累々と更に突撃を続ける部下や市民の姿

天を見る。急襲をかけて来たローマ正教が操る1mにも満たない小型のエンジェルの群がある

最早声も出ない。好きな煙草が入っている胸ポケットすら敵の放った杭は貫通していて、咥えることは愚か取り出す事も出来なかった

ファックとか、シットとか、そんな言葉が浮かぶ

遂に首も動かなくなった。ただ、薄れゆく視界の端で、南の湾の方向に何本も水柱が立ち上るのを見て、僅かに唇の端がつり上がる

そしてそれ以上、彼が動くことは無かった


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