32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/07(月) 19:39:24.16 ID:/pwNr4Li0
……ただ、一つだけ残念な事がある。
数年前に、両親に買ってもらったギター、フェンダー・ムスタングを満足に弾けていないことだ。
調子の良いときには暇さえあれば練習していたけれど、もう随分と触っていない。
どうせ死んでしまうのなら、思いっきり演奏してからにしたい、というのが私の望むささやかな願い。
まあ、無理だろうと諦めてもいる。
もう満足に指も動かせないし、元々、人というものは少なからず未練を残して死んでゆくのだ――――
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同日 (2008年・2月9日)
――――ふと、目覚めた。
ややあって、肩を揺すられている、と感じる。
どこか遠くの方で平沢さん、と、声がする。気遣うような優しいアルト。
瞼を押し上げて、大きな欠伸を掻く。
腕枕を解いて上体を起こすと、背骨が乾いた音を上げながら小さく鳴いた。
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