過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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(千葉県)
[sage saga]
2011/04/17(日) 02:42:38.58 ID:6dTTluKVo
「例えば、借金に追われ破れかぶれになった男に、包丁で刺される。
例えば、風に煽られた看板が、あの子の上に降ってくる。
例えば、青信号で横断歩道を渡っているところに、居眠り運転の車が突っ込んでくる。
……一生のうち、こんな目に何度も遭うと思いますか?
あの子が幼稚園を卒業するころ、大怪我で入院した回数は既に10回を越えていた。
私や妻も、一緒に大怪我をして病院に運び込まれたことが何回もあります」
「そんな当麻さんを、周りの人間は遠ざけました。
不運な人間のそばにいて、自分まで不運を移されてはたまらない、とでもお思いになられたのでしょうね。
原因も、根拠もなく、ただ不運だというだけで、あの子はいわれもない汚名をかぶせられなければならなかった。
だから、私たちはあの子を学園都市に送ったんです。
不運だから。厄病神だから。そんな迷信染みたことを言う人間のいない、科学と技術が統べる世界へ」
刀夜も詩菜も、心の奥に閉じ込めた激情を表に出さないためか、奥歯を噛みしめるかのような表情をしている。
「もちろん、そんなことであの子の不運は変わりはしなかった。
だけど、そのことであの子を厄病神扱いする人間もいなかった。
……本当に嬉しかった。いつも寂しそうに一人で遊んでいたあの子が、友人たちと楽しそうに写した写真を送ってきた時は」
刀夜は財布から一枚の古びた写真を取り出した。
あちこち擦り切れてはいるが、確かに友人たちに囲まれた幼い上条当麻の姿が分かる。
その表情は、満面の笑み。
思わず両親に伝えたくなるほど、友人ができたことが嬉しかったのだろう。
それは、両親にとっても同じ。
刀夜はとても愛おしそうに、写真の表面を撫でた。
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