過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:49:46.30 ID:SvKeaTpjo
神裂火織は戦争による負傷者を手当てする野戦病院の中で聞いた。
きっかけは、突如鳴り響いた電話のベル。

その電話を受けた彼女の表情はとたんに凍りついた。
ほどなくして通話を終えると、傍らにいた建宮、五和が心配そうな表情で話しかけてくる。

「……女教皇様、何かあったのですか?」

「……上条当麻の所在が確認できないということです。
 状況から、恐らく『ベツレヘムの星』ごと大天使と激突し、諸共海に沈んだのではないか、と」

「そんな……!!」

顔を蒼白にし、危うく卒倒しかけた五和を抱きかかえた建宮は、神裂に食ってかかる。

「女教皇様、何かできることはないのでしょうか?
 我らは幾度となくあの幻想殺しの少年に救われてきたのです。
 その彼を我らが救えぬのであれば、その恩はどうすればよいのでしょう!?」

「分かっています。私とて、その思いは同じです。
 この病院での治療のメドが立ち次第、我々天草式も上条当麻の捜索に加わるよう最大主教から勅令が出ました」

その為にも、一刻でも早く負傷者たちの治療を、と告げ、建宮と五和を治療へ戻らせる。
きっと彼らが他の仲間たちにも知らせてくれるだろう。

神裂は壁に背を預け、仰ぐように上を見る。

(上条当麻。私は、いえ私たちは、あなたに対してあまたの恩義があります。
 インデックスの『首輪』に始まり、『御使堕し』、数度にわたる天草式の件……。
 未だその恩義は一片も返せておらず、また、その機会は無くなってしまったというのでしょうか。
 私たちは、あなたに何をしてあげられるのでしょうか)

ふと瞳に浮かんだものを強い瞬きで打ち消し、彼女もまた治療へと戻る。
一刻も早く、あの少年を見つけるために。


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