過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:50:15.80 ID:SvKeaTpjo
インデックスは半壊した大聖堂の中で聞いた。
きっかけは、赤髪の魔術師が呻くように歯噛みしている場面に出くわしたこと。

ステイル=マグヌスは悩んだ。
悩んで、悩んで、悩んで、悩んで、悩んで、そして正直に話すことを選んだ。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:50:47.05 ID:SvKeaTpjo
そして、御坂美琴は凍てつく港でへたり込んでいた。
目の前は白い氷塊と灰色の水面がどこまでも続く大海原。
ベツレヘムの星ごと上条当麻を飲み込んだ北極海が雄大に広がっていた。

それを呆然と眺める少女の瞳には何も映ってはいない。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:51:49.32 ID:SvKeaTpjo
気がつけば、傍らの妹が背後からそっと抱きしめてくれていた。
恐らくは美琴が凍えないようにということなのだろう。
日が陰り始め急に気温が低下し始めたせいか、妹の体もかすかに震えている。

「……アンタ、暖かいところへいきなさい」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:52:23.54 ID:SvKeaTpjo
どれくらいそうしていただろう。
二人の耳に、英語で話す少女たちの声が飛び込んできた。
この近くの住人か、はたまた物見遊山か。
さして気にも留めず、また、向こうも気付いていないようだった。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:53:30.36 ID:SvKeaTpjo
10月31日。

霧にむせぶロンドン、その一角に聖ジョージ大聖堂はある。
先日の戦闘で、大聖堂の中はめちゃくちゃだ。
床に穴は空き、壁は崩れ、ステンドグラスが割れているせいで外の冷気と湿気が建物の中にまで入り込んでいる。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:54:16.48 ID:SvKeaTpjo
「……やっぱり、私も現地に行けないかな? 何か手伝えることがあるかも」

少女の懇願に近い言葉に、しかしステイルはかぶりを振る。

「残念だけど、君については『自動書記』の調整を優先する、との最大主教の決定だ」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:54:50.24 ID:SvKeaTpjo
礼拝堂からやや離れたところまで来て、ステイルは壁に背を預けた。
おもむろに左の拳を振り上げ、思いっきり壁に叩きつける。
悲鳴を上げた指の痛みも無視して、ずり落ちるようにへたり込んだ。

久方ぶりに、彼女に名前を呼ばれた。
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:55:44.14 ID:SvKeaTpjo
「あ、れ……? ここは……?」

目を覚ました御坂美琴の目に真っ先に飛び込んできたのは、見なれない天井。
広くないレンガ作りの室内は上等とは言えないものの、しっかりとした作りであることを感じさせる。
あまり日本の一般家庭にはなじみのない、パチパチと火花を上げる暖炉などはいかにも異国情緒たっぷりだ。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:56:20.46 ID:SvKeaTpjo
「おや、お目覚めになりましたか、とミサカは訊ねます」

部屋のドアを開けて現れたのは妹である10777号。
彼女にも大きな迷惑をかけた。

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:56:59.35 ID:SvKeaTpjo
「今は、ごめん。ちょっと無理かな」

「お姉様……」

その言葉に、10777号は美琴の腕を引っ張るのをやめる。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:57:30.91 ID:SvKeaTpjo
「……そういえば、お姉様がお眠りになられている間に、あのお二人とちょっとお話をしてきたのですが、
 お姉様とあの方々は面識がお有りなのですか、とミサカは問います」

「夏休み前に学園都市のデモンストレーションでロシアに来た時にちょこっとね」

以下略



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