過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:50:47.05 ID:SvKeaTpjo
そして、御坂美琴は凍てつく港でへたり込んでいた。
目の前は白い氷塊と灰色の水面がどこまでも続く大海原。
ベツレヘムの星ごと上条当麻を飲み込んだ北極海が雄大に広がっていた。

それを呆然と眺める少女の瞳には何も映ってはいない。
自責と後悔、無力感だけがひたすら頭の中を駆け巡っていた。

どうして、自分にはあの少年を助けることができなかったのだろう。
『超電磁砲』とは一体なんだったのだろうか。
あの少年が不思議な力を持っていようが関係がない。
それを超えるだけの力を持っていれば助けられたはずだ。

あの時、飛び移っていれば。
あの時、もっと早くに引き寄せようとすれば。
あの時、再度引き寄せようとしていれば。

波間に漂っていたカエルのマスコットを胸元に強く抱きしめ、彼女はただ思考の堂々巡りに囚われていた。
その行き着くところは常に同じ。
彼女は気付いた。思い知らされてしまった。

つまるところ、自分は、レベル5第三位は、『超電磁砲』は、御坂美琴は。

弱いのだ。
たったひとりの少年を助けることすらできないような『無力』でちっぽけな存在にすぎないのだ、ということに。


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