過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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968:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[saga]
2011/06/22(水) 01:41:55.79 ID:zxuPn9f5o

「……寝てる」

上条の病室に荷物を置き、売店でお菓子と飲み物でも買ってくると病室を出たのがつい10分前。
戻って来てみれば上条はベッドに横になり、寝息を立てていた。
座っているうちに体力を使い果たし、ごろんと横に倒れたかのような構図だ。
サイドテーブルに買い物を適当に置き、自分はパイプ椅子を広げて座る。

「このやろ、人に買い物をさせておいて、自分は高いびきですか」

入院で体力はかなり落ちているだろうし、よっぽど疲れていたのかもしれない。
けれど、それでも自分に一日付き合ってくれたこと。
この後も花火を一緒に見てくれること。
その優しさが、美琴は嬉しかった。

毛布を被せ、しばらく寝かせてやることにする。
ふだん見せるような、気だるげな表情。
誰かの為に奔走している時の、真剣みを帯びた横顔。
そして「まだやることがある」と美琴の助けを断った時の、使命感を帯びた面持ち。
そのどれとも違う、あどけない寝顔にふっと顔が綻ぶ。

「──今日は、付き合ってくれてありがとね」

面と向かってはなかなか言えない、感謝の言葉。

「ネックレス、ずっと大事にするからね」

胸元で宝物をぎゅっと握りしめる。

「…………あ、なんだか私も眠……」

座ったことで、どっと疲れが出たのだろう。
その心地良い感覚に、美琴は身を任せた。



十数分後、屋上の準備ができたと御坂妹たちが呼びに来た時、美琴は上条のベッドのふちに突っ伏すようにして寝ていた。
図らずも、二人の顔の位置はとても近いところにあった。


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