151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/13(水) 04:24:28.76 ID:HulktAtno
日本 桜が丘 琴吹邸
律「――つまり、ご両親がなくなってから、世界中を放浪してたってわけか」
紬「ええ、ここに戻ってきたのもつい最近なの」
梓「二年も一人で旅を? 誰にも言わずに? お金とか、大丈夫だったんですか?」
紬「そうね、いろんなことをしたわ。時には、生きるために悪いことも。そうやって頭が麻痺してきて、少し善悪の区別すらつかなくなったこともあった」
澪「ムギ……」
唯「たくさんおなかすいたんじゃない? ムギちゃん、随分とやせてるよ?」
紬「ふふ、そうね。高校のころは食べ物に困ることなんてなかったから、随分太っていたわね」
唯「でも今のムギちゃんも好きだよ! なんかたくましくて、ワイルドって感じ」
澪「おい、唯!」
紬「いいのよ、澪ちゃん。唯ちゃんにそういってもらえると、私も嬉しいから」
律「それで、ムギ。部長として聞きたいことがあるんだ」
紬「どうぞ、律っちゃん部長」
律「私たちのところに、放課後ティータイムに戻ってくる気はないのか?」
紬「……部長としてじゃなく、律っちゃん個人の意見が聞きたいな」
律「ムギ、戻って来い」
澪(律……!)
律「私たちにはムギが必要なんだ。放課後ティータイムはみんながそろわないと、放課後ティータイムじゃないんだ。ずっと、何かが欠けたままなんだ」
紬「……みんなは、どう思ってる?」
梓「私も同じ気持ちです! ムギ先輩、お願いです、私たちと一緒にまたバンドやりましょう!」
紬「澪ちゃんと、唯ちゃんは?」
澪「私は……ムギに帰ってきて欲しいっていうのが本当の気持ちだ。でも、強制はしない。ムギの意思を尊重するよ。ムギがそれ以上に大切なことをしようとするなら、それを応援する」
唯「私は……」
唯は非常に深くなやんだような表情を見せたが、すぐにぱっと笑顔になった。
唯「私は、ムギちゃんのお茶が飲みたいなぁ」
梓「唯先輩、ふざけてません?」
唯「ふざけてなんかないよー。ムギちゃんのおかしも食べたいし。ムギちゃんに抱きつきたいし、何より――ムギちゃんの笑顔がみたいな」
唯は優しい目で紬を見つめる。
唯「私、あんまり賢くないから、上手く気持ちを伝えられない。だけど、自分の心にだけは嘘をつきたくないよ。だからムギちゃん、私、ムギちゃんがたとえ放課後ティータイムに帰ってこなくても、ムギちゃんと一緒にいたい。ムギちゃんがここを出たくないならここに毎日来るし、ムギちゃんがまたどこかにいくなら、私、一緒に行く」
紬「だめよ、唯ちゃん!」
唯「だめって言われても行くよ! ムギちゃん、わがままだよ。勝手に居なくなって、私、怒ってるんだよ? ずっと、毎日ムギちゃんのこと考えてたんだよ。いまだって頭の中はムギちゃんで一杯。だからムギちゃんのわがままの分、私がわがまま言ってもいいはずだよ!」
紬「唯ちゃん……」
律「よし、唯隊員。それでいこう」
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