205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/08/23(火) 21:10:38.51 ID:vrmooJWNo
さわ子「そんなこと無いわよ。生徒はいつか先生を追い越すもの。唯ちゃんは、とっくに私より立派になってるわ」
唯「そうかな……」
さわ子「そうよ」
憂「お姉ちゃん、そいつから離れて!」
唯「――へ?」
さわ子「!」
突如現われた憂がさわ子に飛び蹴りをかまし、隙を突いて唯を抱きかかえて後ろに飛びのいた。
唯「う、うい!? どうしたの急に――っ!?」
憂の手刀によって唯は意識を手放す。
さわ子「憂ちゃん。あんまりじゃないの? 自分のお姉ちゃんに手をあげるなんて」
憂「……お姉ちゃんになんのようですか。さわ子先生……。いえ、クラス5」
さわ子「……別に、用なんて無いわ。教え子に会うことの何が悪いの?」
憂「お姉ちゃんはもう、変異種のイザコザに関わらないで生きて良いんです。充分すぎるほどの不幸にあってきました」
さわ子「……」
憂「思い出さないていいことです。全て。忌まわしい過去として、消え去ってしまえばいい。お姉ちゃんは何も知らないまま、幸せなまま生きていればいい」
さわ子「憂ちゃん。それは傲慢よ。決めるのは唯ちゃん自身。どのような生き方であってもね」
憂「私は、お姉ちゃんのためなら傲慢でも、何でもかまわない! 世界が滅びても、知ったことじゃない!!」
その表情からもわかる。憂の決意はあまりにも固い。
さわ子「そう」
憂「……」
憂はさわ子の隙を探っている。しかし、見つからない。
隙が無いのではない。――隙だらけに見えすぎる。さわ子は憂の一挙一動にまったく注意を払ってもいない。
憂(でも、相手はクラス5……一筋縄ではいかない)
さわ子「ねえ、私は争いに来たわけじゃないの。話をしない?」
憂「話すことなんてありません。お姉ちゃんが変異種と関われば……全てが滅ぶ」
さわ子「……どういうこと」
憂「デュアルライナー計画。知らないんですか」
さわ子「……なるほど、『知らされていない事実』か。そうね、なら憂ちゃんがその『デュアルライナー計画』について私に教えてくれるなら、ここは退いてあげてもいいわ」
憂「ふざけないでください。関係がないなら、知らないままお姉ちゃんと金輪際関わらないでください。先生。私は先生のことが嫌いで言ってるんじゃないんです」
さわ子「わかってるわ。唯ちゃんが好き、なんでしょう。他の人間が路上の塵にも見えてしまうほどに、どうしようもなく」
憂「それがわかっているなら……」
さわ子「だめね。こっちにも事情があるの。今までは責任から逃れて自分を閉じ込めてきたけど。そのせいであの子たちを哀しませてたって、知ったから」
憂「あの子たち……?」
まさか、と憂は思う。さわ子もまた、悔いているのか?
紬の失踪。そして放課後ティータイムの皆の心が傷ついたこと。
そして今、その償いのために何かをしようとしている。そういうことなのか?
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