211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/08/23(火) 21:14:05.83 ID:vrmooJWNo
日本 桜が丘 桜が丘高校グラウンド
和「山中先生、お久しぶりです」
さわ子「真鍋さん……?」
和「はい。憂から連絡があったので、教授の自家用ヘリでちょっと飛んできました」
さわ子「自家用ヘリって、あなたいったい……」
和「何者か。聞かれるべきはあなたですよ、山中先生」
真鍋和の姿は高校のころと変わらず落ち着いていて、いかにも普段どおりといった感じだ。
なにも変わったところが見られず、変異波動も感じられない。ただの人間だ。
さわ子「普通の子が入るような余地はないわよ」
和「そうかもしれませんね。でも……憂と唯が関係しているなら話は別です。憂、唯を連れて下がってなさい」
憂「うん、和ちゃん!」
憂は和が来てまるで犬がご主人様に尻尾を振るように嬉しそうだった。
なんだ、この少女がそこまで頼もしい助っ人なのか?
和「憂、あなた二つ目の能力を使おうとしたわね。あれは禁じ手よ。唯を守ろうとするあまり、唯を危険にさらしてしまうわ」
憂「うん、ごめんなさい……」
和「わかればいいの」
和は憂のあたまをまたなでる。憂は顔を赤らめて目を細めた。
ただならぬ雰囲気、と言った感じだ。この二人の組み合わせを見ることは少なくなかったが、高校時代ここまで親密な雰囲気を見せただろうか。
和「と、いうわけで山中先生。私は久々にあった憂を可愛がらなければならないのでそろそろ退場してもらっていいですか」
さわ子「な、何言ってるのよ。そんなわけには」
パァン。
さわ子の耳に飛び込んできたのは、乾いた破裂音だった。
さわ子「……これは……!」
和「その赤子悪魔の姿はフェイクですね。本体は核となっている『虫』です。先生の能力『デビルズ・サンクチュアリ』は転送した『悪魔』を核として、周囲の物体で包み込み『人造生物』を作り出す。そういう認識でかまいませんか」
和が一瞬で投げつけ、地面にささっていたそのヘアピンは地面に潜んでいた『サタニックニューボーン』の核となっていた虫を正確に射抜いていたのだ。
その結果かく乱のために地上に出していた赤子の像が弾け飛んだ。
さわ子(変異種ではない……いや、いまのは変異種でなくとも、ある程度の技術と知識があればできる、けど)
この真鍋和という少女は計り知れない何かを秘めている。
オーラもなければ威圧感もない。ただの少女だが、何かがおかしい。
さわ子(試してみるか)
さわ子が指を弾くと空間が歪み、黒い球体が現れる。そこから一瞬で黒い人型の砂象が形成された。
和「新しい悪魔ですか。さっきよりも強そうですね」
さわ子「名前は『ドラグスレイブ』。可愛がってあげてね」
ドラグスレイブは先ほどのものと違い、人型で近接戦闘に特化した悪魔。パワー、耐久力、スピードどれもどの変異種とも――あの黄金とも比べ物にならない。
核も硬化した砂像内部に保護されているため、今度はヘアピンでは打ち抜けない。
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