過去ログ - 紬「タックマン?」
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/03/17(木) 04:12:34.74 ID:LjwDMhJO0
博士「これが研究データの全てだ。満足したらさっさと出て行け」

???「いいや、まだだ」

謎の敵は端末を博士のPCに差し込む。

博士「何をしている? じき警備員が巡回に来る。そうすれば貴様は終わりだ。データを見るのは持ち帰ってからでも遅くは無いだろう」

???「そんなに私に早く帰って欲しいのか? いや、帰って欲しいだろうな」

キーボードを高速で叩きながら謎の敵は操作を進める。

???「ここ以外のPCでこの記憶端末からデータを引き出そうとすると自壊プログラムが作動する仕組みになっている。そうなれば二度と情報を引き出すことはできない」

博士「……ちっ」

???「自壊プログラム解除は完了した。さらに、元データに自壊プログラムを移動させた。これでもうお前達がこのデータを引き出すことはできない」

博士「貴様、こんなことをして、どうなるかわかっているのか。この時代は暗闇に向かっている。この研究は暗闇から人類を救い出すのだぞ」

???「人間は強い。お前が変えなくても、自分達で変えていける」

博士「だが、こんなくだらない仕事をしている貴様も、結局は力にすがって生きるしかないのだろう? 貴様もこの時代の被害者なんじゃないのか?」

???「……」

博士「どうだ? 私につかんか? 貴様を変異種にしてやろう。この人工変異計画によって進化することで、世界を支配する側に立つのだ」

???「興味が無い」

博士「だが、貴様はこうして戦いの中にいる。力が必要なはずだ」

???「……人の強さは、力ではない」

博士はこの覆面で表情の読めない特殊部隊の兵士から、なにか恐ろしいもの――狂気にも似た、強固なものを感じ取っていた。

博士「くくく……面白い。ならば、貴様にひとつ、プレゼントをやろう。貴様の組織ではない、貴様個人に対してだ」

博士は培養カプセルのスイッチを押し、中から一つのアンプルを取り出した。

博士「これは、人工変異計画の成果だ。これを注射することで、人間は進化することができる。この世界を支配する次なる存在"変異種"にな」

???「……何を、考えている」

博士「こうなれば私の研究は終わりだ。だが、ここで何もかも終わりにしたくない。これは、私の科学者としての個人的な願いだ」

博士の目に嘘は無かった。まっすぐな瞳で覆面の兵士を見つめていた。

博士「君が真に必要となったとき、これを使うと良い」

???「……」

博士「さあ、行け。警備員が来る」

謎の兵士は無言のまま、情報記憶端末とアンプルを持って走り出し、すぐに姿を消した。なるほど優秀だ。
どのセキュリティにもひっかからずここまで到達し、そして誰にも気付かれず消え去る。
そういえば聞いたことがある。「ナイトストーカー」と呼ばれる特殊部隊の噂を。
行き過ぎた力を持とうとする組織や機関に制裁を加える、世界のパワーバランスを保つために組織された特殊部隊。

博士「ナイトストーカー(暗闇の追跡者)か。この時代に、一体何を貫きとおそうというのかね」

信念も、真心も、なにもない時代。それが現在だ。こんな時代に、彼らは何を守ろうというのか。
守りたいと思ったものが、一体どれほどくだらないものか、本当にわかっているのか。


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