過去ログ - 紬「タックマン?」
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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/19(土) 06:18:54.80 ID:whhP9ezKo
日本 ××銀行桜が丘支店


銀行員「お、お金は用意します。だから撃たないで……」

強盗A「さっさとこの袋に金をつめな。入るだけ全部だ。早くしろ!」

銀行員「はいぃ!」

強盗B「ちょろいもんだぜ。銃さえありゃ、日本じゃなんだって出来る」

警察『君達は包囲されている、至急武器を捨てて出てくるんだ!』

強盗A「ちっ、サツか! もう来やがった!」

強盗B「あわてんな。俺たちのバックには『黄金』がついてる。人質をとってサツと交渉すりゃあ、黄金の息のかかった交渉人が車を用意してくれるさ」

強盗A「そうだな、完璧だ!」

強盗B「もう警察もこわかねぇんだよ。あいつらは恐怖してる。得体の知れないものに対してな。黄金が変えちまったんだ。変異種に対する恐怖がこの国を麻痺させちまった。俺たちは恐怖を食いものにすれば良い」

強盗Bは人質にとって客の中の一人に視線を移す。

強盗B「いざとなったら、あいつがいる」

と、その時、人質の中の一人が、子供が彼をにらんでいることに気付いた。

子供「……」

強盗B「なんだ? その目は。おい、クソガキ」

親「す、すみません。うちの子が!」

強盗B「親はすっこんでろ。俺はガキに聞いてんだ。舐めた態度とりやがって」

子供「お前なんてこわくないぞ」

強盗B「ああ?」

子供「お前なんて怖くない!」

強盗B「おお、ご立派だね、ボウズ」

子供「こんなことしても、タックマンがお前をやっつけるぞ!」

強盗B「ご立派なのは良いことだが。他人頼りじゃいけねえよ」

強盗Bは子供の額に銃をつきつける。

子供「怖くないぞ……!」

強盗B「そりゃ、お前は平和な世界にそだって、こいつがなんだか知らねぇからだ」

強盗Bは冷徹な目つきのまま銃口を別の場所に向け、引き金を引いた。

どさり。
鈍い音と共に、一人の人間が倒れた。

子供「えっ……お母さん……?」

少年の母だった。
一瞬で物言わぬ躯に成り果てた少年の母は、光のない目で天井を見つめていた。

強盗B「人間なんてもろいもんだ。一瞬で、死ぬんだぜ」

子供「そんな……」

強盗B「それでもお前はご立派なことを言い続けられるかよ? 力もねぇくせに」

子供「僕は……」

強盗B「ま、ゆっくり考えな。天国でな」

強盗Bはなんの感情もこもってない乾いた声で、引き金を――
引けなかった。



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