過去ログ - 紬「タックマン?」
1- 20
65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/19(土) 06:22:06.64 ID:whhP9ezKo
日本 桜が丘 秋山家から平沢家までの道のり


律「〜でさー」

澪「ふふっ、相変わらずなんだな、律は」

律「そうさ、お前もだろ、澪」

澪「……そうかもな、自分では大人になったと思ったけど、律と一緒にいると、まだあの時――けいおん部だった時みたいだ」

律「実は、私もだ」

澪「そうなのか?」

律「ほんとは、さ。澪と会うまで、ずっとふさぎこんでた。誰にも見せないようにしてたけど、心の中はずっと孤独だった。あれからもいろんな人と友達になったけど、なんていうかそれまでの『友達』とは違ってた。ただ寒い身体を温めあう、っていうか、上手く言えないけど、互いに孤独だから寄り添いあうだけで、心は遠い、みたいな」

澪「放課後ティータイムの皆で演奏するとき、私も確かに心が一つになったような気がした。……私も、きっと律と同じことを考えてる」

律「放課後ティータイムの皆で、また演奏したい」

澪「うん」

律「できるといいな、澪」

澪「……ムギ……」

律(そうか、ムギが帰ってきたって、知らないんだ)

しかし、それをここで言うのは戸惑われた。澪はムギを少なからずうらんでいたはずだ。
今はどうかわからない。だが、澪のムギに対する信条がわからないと、言い出すことはできない。

律「あのさ、澪。ムギのこと」

澪「うらんでるよ。まだ」

律「……そっか」

澪「きっと、許せないと思う。でもさ、こうも考えられるんだ」

律「?」

澪「確かにムギのことはうらんでる。でも、その憎しみより、『会いたい』って気持ちが、本当は強いんじゃないかって」

律「澪……」

澪「唯と、律と、また会えて、わかったんだ。会いたくないと思った相手でも、やっぱり本当は会いたい気持ちもあるんだって。その気持ちに自分も気付いてなかっただけだったんだ」

澪は過去を懐かしむように、優しい目で言った。

澪「私はムギを嫌いになった。けど、その気持ちと私がムギを好きな気持ちは違うんだ。ムギが私から奪ったものより、ムギが私にくれた幸せのほうが、ずっとたくさんあった。だから私はムギに会いたい、許せなくても、嫌いになっても、それ以上の『好き』でムギと向かい合える、今なら、そう思うから」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
236Res/350.10 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice