66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/19(土) 06:22:42.46 ID:whhP9ezKo
律は驚いた。
そうだ。皆同じなんだ。
唯も、澪も。そして、自分も同じだ。
唯は皆が大好きだから、放課後ティータイムからいなくなった。澪は皆が好きだけど、放課後ティータイムが無くなり、嫌いになった。
自分は皆が大好きだけど、放課後ティータイムがばらばらになるのを見ているだけで、何もせず、一人自暴自棄になった。
みんな、同じだ。
そして――梓も、ムギも。
同じなんだ。ずっと、心は一つだったんだ。
『いつまでも一緒に居たい』。同じ気持ちだった。
その気持ちに正直になれなかったんだ。
律「澪……。本当は、ムギは……っ!?」
澪「律っ!?」
律は地面に叩きつけられ、気絶していた。
律の後ろには、金色のスーツを着た男。
周囲には何人ものガラの悪い男達、完全に包囲されていた。
黄金「よお」
澪「お前は、裏社会の帝王『黄金(ゴールド)』……!」
黄金「ほお、こんな綺麗なお嬢さんに知ってもらえるなんて、光栄だぜ」
澪は記者という仕事上、汚い話についても一般人以上の知識がある。
黄金という男の名と風貌くらいは記憶していた。
澪「どうして律を……私に何の用だ……」
黄金「おいおい、勘違いしてもらっちゃ困る。お前には用はないさ。用があるのは、この『俺たちのお姫様』さ」
澪「律が……どういう意味だ」
黄金「教える義理はねえよ、じゃあな」
澪「待て!」
澪が黄金の丸太のような腕にしがみつく。
澪「律を放せ!」
黄金「なんだぁ? でかい乳当ててきて、誘ってんのか?」
びくともしない。力が違いすぎる。
黄金「お前に手を出す気はねぇよ、命があることに感謝して、家に帰りな。ほら、手を放せよ」
澪「放さない……律は親友なんだ、絶対に、お前なんかには渡さない」
黄金「良いね、そういうの好きだぜ――だが」
黄金が腕を一振りすると、澪の身体は軽々と宙に舞い、道路のアスファルトの地面に激突した。
澪「うぐっ!」
黄金「お前には力が足りねえ、大切な親友を守る力が」
黄金は再び律を抱え上げ、歩き始める。
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