8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/03/17(木) 04:16:35.48 ID:LjwDMhJO0
純(どうして……)
男2「なあ、幸せってのはな」
サングラスの男は澄んだ笑顔を純に向けた。まるで、純に同情しているかのような。哀れんでいるかのような表情だった。
男2「幸せってのは、誰かに与えられるもんじゃねえ。自分で作り出すもんだ。てめぇみたいなやつにはまだ理解できないだろうがな」
純「わかんない。わかんないよ……」
男2「そうだろうな。じゃあ、せいぜい楽しみな」
男「へへっ」
男3「いただきまー……ふべっ!!」
その瞬間、男3は頭を地面に叩きつけて倒れていた。
男「なんだっ!」
目の前に、真っ白な人間が立っていた。白い。ここにいた全員が抱いた感想はそれである。
純白のボディスーツに純白のマント。そして白い奇妙なマスク。身体の数箇所に、「T」字の意匠が施されている。
その奇妙な真っ白な人物は、右手で見張りに立っていたはずの仲間を引きずっていた。
男「てめぇ……」
男2「何者だ」
純白の人物「……」
男「へっ、コスプレヒーローごっこってやつか? この街にも頭のおかしいヤツが増えてるって聞いたが」
男は懐から黒光りした重厚なものを取り出す。銃。日本ではなじみの無い武器だ。
男「こいつを見な。悪いことはいわねぇ、帰り――ぐぉ!!」
一瞬で間合いを詰めていた純白の人物の肘打ちを喰らい、男は倒れた。
男2「何が目的だ」
純白の人物「……秩序」
男2「はっ、頭おかしいんじゃねえのかよ。ケンカは強いみたいだが、頭の中まで筋肉なのか?」
純白の人物「それは時代が決めることだ」
男2「ならなおさらだぜ。てめぇみたいなやつ、誰もおよびじゃねえんだよ。この時代も、この街もな」
サングラスをかけた男は、他のチンピラたちとは全く異質な雰囲気をまとっていた。隙が無い。
純白の人物も、攻めあぐねているようだった。
ゆっくりと、男はサングラスを外す。
男2「噂にくらいは聞いたことあんだろ? 俺は――」
純白の人物「……っ!」
男の右目は赤く輝いていた。これは正常ではない。純白の人物もそれを察知し、とっさに伏せた。
男2「――変異種だ」
その刹那、男の目から放たれた赤い閃光がさっきまで純白の人物の頭部があった空間を通過した。
後ろの廃ビルの壁面が爆散する。恐ろしい威力だ。人間が喰らえばひとたまりも無いだろう。
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