9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/03/17(木) 04:17:20.01 ID:LjwDMhJO0
男2「よけたのは褒めてやる、ならこれはどうだ!」
男の視線の先にあるのは――純。
純「えっ……」
既に純に高エネルギーの塊が接近し、その身体を破壊しようとしていた。
が、何かが間に割って入る。
爆発。
男2「……女をかばったか。バカなヤツだぜ、ヒーロー気取りで命を落とすとはな。そんなのは不運とはいわねえ、自分の脳無しを恨むんだな」
煙が晴れる。おそらく、さっきのヒーロー気取りの破片が散らばっているだろう。あの女も、人一人間に入ろうが防げる威力ではない。死んでいるはずだ。
と、男は考えていた。が、それは裏切られた。
白い塊が、そこにはあった。いや、マントだ。白いマントが、人間二人分を覆っている。
男2「まさか……」
純白の人物は立ち上がる。全くの無傷、かばわれた少女、純もかすり傷ひとつ負っていない。
男2「お前、化け物――」
そこまで言った時には既に、男は意識を手放していた。一瞬にして間合いを詰めた純白の人物の一撃を喰らっていたのだ。
純白の人物「……」
純「あの……」
純白の人物「もうすぐ警察が来る。君は事情を話してくれれば後は家に帰れる」
変声期で声を変えているのか、ガラガラしたよくわからない声だった。
純「ありがとう、ございました……」
純白の人物「……秩序を守っただけだ。例には及ばない」
純「ヒーロー、なんですか……?」
純白の人物「この街が必要とするなら」
純「わかりません。なんで、こんなことするのか。この人たちも、あなたも……」
純白の人物「君は善良な人間だ。だから、理解ができない。そして、それが正しい」
純「でも……それじゃあ……」
純白の人物「……」
純白の人物はベルトにマウントされていた黄金色で半月形の金属を手に取り、上に向かって投げた。鋭く飛んだ金属はビルの屋上の柵にひっかかり、固定される。
そのまま金属についていたワイヤーが高速で巻き上げられ、純白の人物はビルの上に飛び乗る。そうして闇に消えていった。
パトカーのサイレンが聞こえる。警察が来たようだ。助かった。だが、純の頭は別の疑念が支配していた。
純「……わかんないよ……」
純白の人物は、一体何者か。この街の必要とするヒーローなのか。それとも……。
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