90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:27:28.68 ID:A0O8EXjso
日本 琴吹邸
憂「私はもう帰ります。お姉ちゃんがお仕事休んで、家にこもりっきりだから」
和「お疲れ様。唯によろしく言っておいてくれる? 近いうちに、会いに行くから」
憂「はい。では、失礼します」
憂は一礼し、紬の部屋を出て行った。
和「ムギ、なにがなんだかわからないっていう顔してるわ」
紬「え、ええ。その通りよ。なぜ、憂ちゃんが、変異種で、和ちゃんが来て、それで、唯ちゃんも、変異種?」
和「混乱してるのね。そうね、整理しましょう。私が来た理由は――斉藤さん、あなたから説明してくれますか?」
斉藤「はい。お嬢様、変異種についての調査の件ですが、あれから丁度三日目です。お約束どおり、調査結果を報告させていただきます」
紬「それってつまり」
斉藤「はい。日本における変異種の専門家。それが真鍋様です」
和「正確に言うと、変異種研究の専門家の助手、なんだけどね」
紬「和ちゃんが? 和ちゃんは、確か文系だったはずじゃ」
和「今どき、理系文系だなんてあまり意味を持たない区分よ。それに、変異種は遺伝子の変異だけが全てじゃない。むしろ社会的な――まあこれは後で説明するわ。とにかく、私の来た理由は斉藤さんに呼ばれたから。変異種についてあなに説明するために、ね。それが私がここに来た理由。憂と会ったのは実は偶然」
紬「じゃあ、憂ちゃんは……」
斉藤「先ほどの説明のとおり、平沢様は変異種であり、変異種と戦って敗れたお嬢様を救い出し、ここまで連れかえってくださった。ただそれだけだそうです」
紬「ええ、なんだか随分身近だった人が別の役割で出てきたものだから、混乱してしまって」
和「これで落ち着いた?」
紬「そうね。大丈夫、どうにか納得できるわ」
和「なら、確認させてもらうわね。ムギ、あなたは変異種について、まだ知りたい? まだ引き返せるわ。変異種に――この世界の深淵を覗けば、きっとその深淵にも心を覗かれ、えぐられる。その覚悟が、あなたにある?」
紬「ええ、もう私は引き返せないところまで来てしまった。ここで退くのは、いままで迷惑をかけてきた皆を裏切ることになるから」
和「そう、なら私もとめたりはしないわ。ムギの望みのままに」
紬「話して和ちゃん。あなたの知っていることを」
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