過去ログ - 紬「タックマン?」
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91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/22(火) 05:28:00.25 ID:A0O8EXjso
和「ええ。どこから話そうかしら。そうね、まずは、何故私が変異種研究をしているのか」

紬「そうよ、和ちゃん、国立のK大学の、確か社会学部に行ったはずじゃ」

和「実は、戯れにとって遺伝子工学の授業が楽しくてね。気付いたら教授に気に入られて、いつのまにか教授の――変異種研究家の助手になっていたの」

紬「そうなの? じゃあ憂ちゃんと……唯ちゃんが、変異種だっていうのは」

和「知っていたわ。長い付き合いだもの。それもひっくるめての関係よ」

紬「そうなんだ……知らなかった。唯ちゃん、そんなそぶりは見せたことがなかった」

和「それはそうよ、唯はそのことを知らないんだから。正確には、覚えていない、というべきかしらね」

紬「覚えていない? 唯ちゃんは自分が変異種だって、知らない?」

和「唯はね、過去にあったある出来事で記憶を失っているの」

紬「ある、出来事?」

和「それについて私も全てを知っているわけじゃないし、話すとあまりに長くなるから、悪いけれど省略させてもらうわね。要約すると、憂と唯は幼いころから強い変異種として数多くの視線を潜り抜け、唯がその中で記憶を失った出来事をきっかけに二人は桜が丘で身を潜めてくらすことになったということよ」

紬「ちょっと待って! 幼いころから戦いを続けて、この街に流れ着いたって、和ちゃんと唯ちゃんは幼馴染じゃ……」

和「それはちょっと複雑でね、唯と憂は特別な変異種なの。『デュアルライナー』って言ってね。常人の二倍の命と、二つの能力を持つ特殊な変異種」

紬「二倍の命?」

和「このあたりは複雑なのだけど、簡単に言えば唯と憂は命を共有していて、二人分の生命力を二人ともが持っているということよ。寿命も普通の二倍。また、能力も互いに二つずつもっているわ。だから私たちの二倍くらいは生きてるわけ、あの二人は。私が知り合ったのは私の幼いころで、その時唯は記憶喪失したてだったから私が最初の友達だった。だから幼馴染だってのは間違いないわね」

紬「……」

和「まあ、わかりにくいわね。いいのよ、あの二人の例はあまりに特殊だから。あの二人も複雑な人生を歩んでいて、私は少しだけそれにかかわった。今知っておくべきはこのくらいよ」

紬「そう、なんだ」

和「それじゃあ、授業を始めましょうか。変異種について、ムギは今どのくらい知ってる?」

紬「ええっと、高い身体能力を持ち、特殊な能力を秘めた人々で、ランクが1から5まで存在する。そして、エヴォルドクラスという王がいるらしいと、そのくらいしか」

和「そうね、間違ってはいないわ。実のところ変異種について明確だとされているのはその程度のことで、明らかになっていないことのほうが圧倒的に多いから」

紬「なら、和ちゃんはエヴォルドクラスについて……」

和「それについては、少しだけ話せることはあるわ。でもその前に、変異種について基礎的な部分を少し説明させてもらうわね」

和は眼鏡を外し、曇ってもいなかったその眼鏡を吹いた。



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