過去ログ - 一方通行「俺が一生オマエの面倒見てやる」番外個体「……うん」
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963: ◆jPpg5.obl6[sage saga]
2011/08/16(火) 22:35:14.02 ID:rSukkoHc0


そして、共通の知人ということは――――――そう、『暗闇の五月計画』の関係者だ。

こうして訪ねるのは二年ぶりか。一瞬だけ緊張の面持ちが交錯したが、今は懐かしんでいるような気分ではない。
表情を引き締め、施設内部へと進入する。


二年以上前と言っても過去に何度か訪れたことがある。目当ての人物が大体どこにいるのかはおぼろげに憶えていた。

見覚えのある通路を記憶頼りに進んでいくと、


「―――――ねぇ、もしかして絹旗ちゃん?」


背後から突然名前を呼ばれた。
驚いて振り向く絹旗を訝しむように眺めていたのは、二十代半ばぐらいの白衣を着た女性である。


「………超お久しぶりです」

「え? うわ、ホント? マジで絹旗ちゃん!? うっそーどうしたのよ! ちょ、ホントに久しぶりじゃない!」


二年ぶりの再会。
この研究者はあの計画に関わっていた人間の中でも浮いた存在であり、当時まだ幼かった自分や黒夜が気を許した貴重な
人物だった。幼い子供なんて道具程度にしか思わない研究者が殆どだっただけに、この少々変わり者の女性は心の拠り所
として大きな存在だった。元々彼女は研究者としての能力こそ優れてはいたが、その情に厚い人柄のせいか計画の全貌を
知らされていなかったし、計画の頓挫後も、自分の口から明かしてやろうとは思わなかった。
純粋に子供を大切に想ってくれている彼女の思想を壊す気にはなれなかったのだ。



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