過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県)[saga]
2011/04/07(木) 23:19:51.88 ID:dEtouHOE0



 恐らく廃屋を最低限住める環境に整えたのだろう。
 世辞にも綺麗とは言えない住居の奥に、少女はいた。
 世辞ではなく綺麗な金髪を無造作に枕元に散らかして、寝込んでいた。

「な、分かりやすいだろ? これが俺たちの事情さ」

 赤毛の青年は言って、傍らの少年の帽子を取った。
 少女と同じ金髪が夕陽に晒される。

「俺の妹なんだ。見ての通り体調を崩して寝込んでいるんだけど、治る気配が全く無い」

「で、医者に見せて薬貰うなり入院させるなりしたいところなんだが、金が無いと」

「なるほど。単純明快だな」

「生憎と真っ当な人生送れてないんで、保障なんかも受けれねえんだ」

 普通に暮らす分には色々とやりようがあるんだがな、と青年は続けた。
 確かに、突き詰めれば必要なのは最低限の衣食住くらいだろう。
 衣は選り好みしなければどうにでもなるだろうし、住にもここがある。
 食にしても、人が集まるところには廃棄されるそれも増えるものだ。
 普段の彼らは金など殆ど必要としないのだろう。

「アテは?」

「一番まっとうなのでは、工場の下働きみたいのがあるんだが」

「……あんなのがまっとうなものか」



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