過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2012/06/15(金) 23:06:45.49 ID:CypdjJ6do
「それで、何か用か。見ての通り暇じゃないぞ」
「その暇じゃない理由を聞きたいんだが。というかさっきからお前ら俺様の扱い杜撰過ぎないか」
彼の軽い不満は流して青年は説明を始めようと口を開いた。
だがそこから中々声が出ず、そのまま不自然に硬直する。
青年は半開きだった口を更に開き、フィアンマの襟首を掴んだ。
「ちょっとこっち来い」
「だからなんなんださっきから……」
襟首を掴んで薄明かりの面々から離れた場所まで引き摺って行かれ、フィアンマはうんざりしたように呟く。
対する青年は口の端をひくつかせながら、抑えた声で叫んだ。
「何ってお前だよ!」
「俺様が何だ」
「貴方が第三次世界大戦のときに出した黄金の腕! あれが馬鹿みたいに雨降らすから!!」
言いながら青年はガクガクとフィアンマの体を揺さぶる。
彼はもう諦めたようにその揺れに身を任せながら、それでも問い返す。
「話が読めんのだが」
「だから! ここらは盆地になってるけど滅多に雨降らないし豪雨なんてまず無いんだ!!」
「それでどうした」
「それがあの黄金の腕が嵐起こしてアホほど雨降らせたから水が死ぬほど溜まってだな!」
そこまで説明されて、フィアンマはようやく事態を把握する。
「ああ、それで天然ダムか……」
天然ダム、或いは土砂ダム等とも呼ばれる。
要は桁外れに大きい水溜りだ。想定外の場所に想定外の量の水が溜まったもの。
通常のダムとは異なり放水路などは確保されていない為、その処理には大きな手間と危険が伴う。
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