過去ログ - フィアンマ「これがあの男が命を懸けて救った世界、か」
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[sage saga]
2012/06/15(金) 23:37:08.31 ID:CypdjJ6do
「それはこちらとしても同じだ。貴様達に譲り渡すものは、何一つ無い」
略奪者はこちらだ。その事実をかみ締めながらも、少年は目を開いた。
彼らが大切に抱きしめる全てを理不尽に奪おうとしているのは自分達だ。
その意味を、痛みを、推測するのは難しくない。
「別れを告げる猶予は、もう必要ないな」
「ああ。俺が爺さんになるまで、それは必要ないものだ」
それでも、少年はそれを奪おうと思う。
誰もが笑えれば良い。それが無理でも、より多くの笑顔が欲しい。
だから少年は選択する。正義に怠慢は不要だ。
正しさを証明する手段など、少なくとも今この時には存在しないのだから。
「それではさようならだ。"薄明かり"」
少年の構えるは蓮の杖。四大元素の触媒として最大限に力を発揮するよう調整したもの。
「"万物照応。万物の象徴たる司教杖の展開。五大の素の第四。神の子の左、神の薬の緑"」
操る属性は地、創造するのは槌。
大地が隆起し、鎌首を擡げる蛇のようにその大槌が姿を現す。
「ああ、さようなら。 ――"Cumulus157"」
その向こうで青年の口が静かに紡ぐ音を、少年は確かに聞いた。
ラテン語の響き、魔法名。
「『十を束ねて一と成し、一を集めて一を生す』」
青年の口から発せられた言葉の意味を少年は知っている。
その地から同一の要素を抽出し、それらを束ね組み合わせることで式を作り、魔術を発動する。
彼ら薄明かりが用いる魔術方式。その宣言。
そうして、少年の時よりもより大きく地面が蠢く。
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