過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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110:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道)[sage saga]
2011/03/28(月) 23:07:11.17 ID:gqKd6v2y0


確かに恋人らしいことは殆どしていないが、俺たちの仲は決して冷え切ってるわけじゃない。
一応毎日一緒に帰ったり、頻繁に遊んだりはしている。
『遊ぶ』とは言っても、いつも通り黒猫作のゲームを俺がデバックしたりするだけなんだけどさ…。
でも、言われてみれば付き合ってから一回も昼休みに会ったことはなかった。
俺がここんトコ課題に追われて昼休みにやってたってこともあるし、黒猫も最近は少しはクラスに馴染んできたみたいだし。
まあ…言ってみれば、『特に会う理由がなかった』ってことになるのかもしれない。


「要するに、俺に会う口実が欲しくて、それでわざわざ弁当を作って持ってきてくれたってこと…なんだよな?」

俺が再度確認すると黒猫は黙って控えめに頷いた。明らかに恥ずかしがっているのがわかる。
しかしその後すぐ、ハッとしたように顔を上げてこう続けた。

「で、でも!…だからと言って、一切手を抜いたりはしていないわ!
その…あ、貴方に喜んで貰いたかったということもあるし……。そこは、誤解しないで頂戴…」
「ああ、それはもちろんわかってるよ。」

そんなことくらい、いくら鈍感な俺でもあの弁当を食べればすぐにわかるさ。
あれは言い訳のためにテキトーに作ったもんじゃねえ、ちゃんと俺のこと考えて作ってくれたもんだってな。


「でもよ…そんなまわりくどいことしなくても、別に普通に会いに来てくれりゃよかったんじゃねえのか?
ウチの教室ってそんなに入りにくい雰囲気か?」
「だって…貴方は一応受験生の身だし……それに、ここ3,4日はずっと勉強していたでしょう?だから声をかけられなかったのよ…。
ほ、本当は今日だって、ただ渡して帰るつもりだったのよ?それを貴方が無理矢理連れ出すから…」

黒猫は相変わらず小さな声で恥ずかしそうに答えた。


なんだ。気を使ってくれてたのか。やっぱり、こういう気遣いが出来るところも黒猫の魅力だと思うね。
しかも3,4日の間、こそこそ俺の様子見に来てたんだぜ?実にいじらしいじゃないか。
でもごめんな…実は俺が最近課題に追われてたのは、深夜までエロゲやってたせいなんだ…。
いや、違うよ!?桐乃のヤツが強制的に……でも、ホントにごめんな…。

「そ、そうか!そりゃ悪いことしちまったな…。
でもな、別に俺だっていっつも勉強ばっかしてるわけじゃないぞ!?むしろ息抜きしてることの方が多いっていうか……。
と、とにかくさ!そんなに遠慮しなくてもいいじゃねえか。だって俺は――」

かなり間接的とはいえ、『エロゲのせいで彼女を気まずくさせた』という若干の後ろめたさを感じながらも、俺は決意を固めた。
さっきは言いそびれちまったが、俺はお前の隷属じゃねえんだぜ?
今度は恥ずかしくない。なんせ、こいつだって勇気出して本音言ってくれたんだしな!

「俺は――お前の彼氏だろ?彼氏に会いに行くのに、いちいち用事なんていらないじゃねえか。」
「あ、貴方という人はそんなことを平気で……。た、確かに、それは…そうなのだけれど……。
でも、貴方だって、今日私が来た時は真っ先に『何の用だ?』って確認したじゃない………」
「あっ、いや、それは…急に訪ねてきたからビックリしただけで……」

俺だって平気でこんなことを口にしたわけじゃない。でも、改めて考えてみても本当にその通りだと思ったんだ。
黒猫が俺に会いに来てくれた理由なんて、『恋人だから』で十分じゃないか。
わざわざ『何の用だ?』って訊くなんて、あの時の俺はやっぱり間違ってた。

しかし、黒猫は俺の言葉で動揺を露にしたものの、まだしぶとく完全にデレてはくれない。
更には思い切った様子で本音をぶっちゃけてきた。




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