過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
1- 20
18: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:31:45.68 ID:4SRjOM3Xo

あやせから弁当だのレジャーシートだのが入った手提げ袋を受け取り、
俺たちは桜並木の続く遊歩道をのんびりとした歩調で歩いた。
桜の花は三分咲きでも、園内では今を盛りと、色取り取りの花が咲き乱れている。

「わぁー、きれいなお花。……何ていう花だろう、凄く小さくて可愛いですよね」

遠目から見ても鮮やかな濃いピンク色や、真っ白い色をしたその小さな花々は、
遊歩道からかなり外れたところで地面を覆い尽くすように群生していた。
桜を見ていただけでは、気付かずに通り過ぎてしまってもおかしくはない。
あやせは小さく感嘆の声を漏らしながら、その花の咲くところへと駆け寄った。
仕方なく俺もあやせの後を追った。

「とってもきれいで可愛いんですけど、何という花か、お兄さん知っていますか?」
「芝桜っていうんだよ、それ」
「……随分あっさりと言うんですね。何で知っているんですか?
 以前から不思議だったんですが、お兄さんって、どうでもいい事をよく知っていますよね」
「ほっとけっ!」

花の名前に少しくらい詳しいからって、あやせのヤツ、さも不思議そうな顔しやがって。
人間なんだから取り柄のひとつくらいあったっていいじゃねえか。
お袋はガーデニングが趣味で、庭なんか小さいくせにやたらと花を植えるもんだから、
俺も手伝わされる内にいつのまにか詳しくなっちまっただけだよ。

「お兄さん、もしかして“お華”とかやってないですよね?」
「あやせの言う“お華”ってのは、いわゆる華道ってヤツか? 俺がやってるわけねえだろっ!」

俺が畳の上でかしこまって花を活けてるなんて、想像もしたくないわっ。
一体どういう神経をしていたら、そういう発想が出て来るんだか。
もしそんなことになったら、桐乃のオタク趣味なんてまともに見えるぜ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/717.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice