過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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268: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/03(日) 18:00:45.98 ID:qUKwgnJSo
しばらく待っていると、その人も入国手続きを終えてゲートから出て来るのが見えた。
俺はすぐさま駆け寄って礼を述べた。

「先程はどうも有り難うございました。本当に助かりました」
「シンパイナイアルネ。コマッタトキハ オタガイサマアルヨ」

何度もその人に礼を言ってから、俺はようやく空港のビルから外へと出た。
取りあえずここまでは、色々と右往左往することはあっても何とか無事に来られた。
ここから先は親父のメモに従って、タクシーで桐乃の滞在先へ向かうだけだ。

空港ビルを出ると、目の前のロータリーには客待ちの黄色いタクシーが数台停車していた。
映画やテレビで見たのと全く同じ、いわゆるイエローキャブってヤツだ。
しかし、日本で乗るタクシーならいざ知らず、アメリカで、それも一人で乗るとなると
どうしても足がすくんじまって踏ん切りがつかない。
だが、考えてみれば妹の桐乃は俺より三つも年下のくせに、こういったことも全て一人で
やり遂げて来たんだろうに。
それを思えば、兄貴の俺がこんなことでビビってるわけにはいかねえよな。
俺は意を決して、先頭で客待ちをしているタクシーに近付いた。

「…………? ドア、開けてくんねえじゃん。……乗車拒否ってか?
 あっ、そうか、外国のタクシーって自動ドアじゃなかったんだっけ」

つい日本にいる時の癖で、タクシーと言えば自動ドアかと思っちまった。
これだって良く見りゃ親父のメモに書いてあったじゃねえか。
俺はさり気なく右後ろのドアを開けタクシーに半身だけ入れると、運転手さんに桐乃の滞在先の
住所が書かれたメモを見せた。

「ここへ行きたいんすけど……分かりますか?」

俺の下手な英語が現地で通用しないことくらい、さっきの空港での一件で思い知らされた。
こうなったら俺は意地でも日本語で押し通すと心に誓ったんだ。


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