過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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29: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/03/27(日) 16:38:37.90 ID:4SRjOM3Xo

いつまで経ってもあやせからの攻撃が無いことを訝しく思い、
頭を抱え込んだまま、俺は恐る恐るあやせの様子を窺った。
不思議なことに、あやせは何が可笑しいのか穏やかに微笑みながら俺に言った。

「お兄さん、頭を上げてください。わたし、殴ったりしませんから。
 それに、お兄さんの気持ちも分からなくはないです。
 女のわたしから見ても、桐乃ってとっても可愛いですし。
 もし、桐乃がお兄さんの妹でなければ、好きになってもしょうがないと思います」

あやせから殴られる恐れがないと分かって、俺はゆっくりと姿勢を元に戻した。
以前ならとっくに殴られてもおかしくない情況だろうに、
今日のあやせはいつまでも顔に笑みを湛えて、俺を見つめている。
まさしく、ラブリーマイエンジェルあやせたん! ってところかな。
それに気を良くした俺は、思いもかけない方向へ話を持っていっちまった。

「俺は思うんだけどさ、初恋なんて、ちょっと風邪を引いたみたいなモンでな。
 気が付くといつの間にか直っちまってて、あの時の気持ちって一体何だったんだ、ってな」
「それじゃあ、お兄さんは、わたしがお兄さんを好きな気持ちもいづれは消えてしまうと?
 お兄さんのように、初恋の相手は実妹だって堂々と言い切れる人の言葉を、
 わたしは素直に受け止めていいのかどうかわかりませんけどね」

俺に対する痛烈な皮肉と、取れないこともない。
あやせの顔を見つめながら、今のあやせになら、俺は誰にも話したことのない、
妹を好きになった当時の心境を話してもいいかと思い始めていた。

「あやせ、少しだけ俺の話をしてもいいか?」

俺がどんな話をするのかも知らないくせに、あやせは優しく微笑んで小さく頷いた。


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