過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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518: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/04/17(日) 20:44:50.36 ID:tbBN9wvGo

「その事務所の先輩ってのは、あやせか? あやせだろ、あやせなんだろっ」
「マ、マネージャーさん? ……あ、あの、その、ふっ、ふぇ」
「えっ、あ〜申し訳ないっ。ブリジットちゃんのことを怒ったんじゃねえんだ。
 この通り謝っから、なっ、勘弁してくれ、なっ」

半ベソをかいて今にも泣き出しそうなブリジットに、俺は両手を合わせて謝った。
何で俺はあやせの名前が出ると、こうも過敏に反応しちまうのかね。
俺は引きつりそうになる顔を必死に抑えながら、ブリジットに優しく言った。

「ブリジットちゃん、ちっとばかし電話してえとこがあんから待っててくれ、な」

涙目になりながらも不思議そうな顔で俺を見るブリジットに一言断ってから、
俺は携帯のアドレスからある人物の電話番号を選択すると、迷わず発信ボタンをプッシュした。
数秒後、携帯からツ、ツ、ツ、という断続音に続いて呼出音が聞こえるのに続いて、
俺のすぐ背後で聞き覚えのある着メロが聞こえてきた。

俺は手に持っていた缶コーヒーを一気に飲み干すと、背後の木の植え込みに狙いを定め、
その空き缶を思いっきり投げ付けてやった。
すると空き缶を投げ付けた植え込みが俄かに騒がしくなり、
知った顔のヤツが携帯を片手に血相を変えて飛び出して来るじゃねえか。

「おっ、お兄さん! そんなことをして、人に当たったらどうするつもりですかっ!」
「誰かと思えばあやせじゃねえか。おまえ、そんな所で一体何やってんだ?」
「わ、わたしがどこで何をしていようと、お兄さんには関係のないことじゃないですか。
 それと、空き缶はちゃんと所定の場所に捨ててください」
「へいへい。……ところで、携帯が鳴ってっけど、いいのか?」

俺は自分で投げ付けた空き缶を拾いながらあやせの顔をチラリと見ると、
あやせは仕方がないといった表情で携帯を耳に当てた。

「……はい、あやせです」
「よっ、俺だけど……あやせ、今どこにいる?」
「……お兄さんの目の前にいます。って、そんなに苛めなくてもいいじゃないですか」
「誰も苛めてねーだろ。それはあやせの考え過ぎだって、なあ、ブリジットちゃん」

糸電話じゃあるまいし、何で電話の相手と面と向かって話さなきゃなんねえんだよ。


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