過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.9
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福井県)
[sage saga]
2011/03/27(日) 22:06:03.43 ID:VzcOF4WKo
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ホールでは今、四組目のファイナリストの講評が行われていた。
ここで、この決勝大会の流れを説明しておこう。
出場者の出演順は、事前に行われたくじ引きですでに決められている。
決勝大会では歌を二曲披露する時間と、三分のアピールタイムが与えられ、その総合点が最も高い者が優勝となる。
アピールタイムとは、要は歌以外で何が出来るのかを審査員に示すのだ。
楽器でも、モノマネでも、ガンプラ組立でも何でもいい。ちなみに今言った諸々は、これまでの出場者がアピールしていった特技だ。
加奈子はダンスを披露することになっている。
これまでの出場者を見ていると、歌に関しては特徴が異なるものの、歌唱力に関しては拮抗しているように思う。つまり、みんな上手いのだ。
こうなってくると、アピールタイムでどれだけ審査員の心を掴めるかが、勝負のカギとなるだろう。さて、どうなることやら。
そんなことを考えている間に、講評が終わった。次は加奈子の出番だ。
「エントリーナンバー3,018番、来栖加奈子さんです。どうぞー!」
女性司会者の快活な紹介を受け、加奈子がステージ上に現れた。
ここで見る限り、過度に緊張しているということはなさそうだった。これなら彼女は、自分の実力を遺憾なく発揮できるだろう。
「来栖加奈子です。よろしくお願いします」
簡単な自己紹介を終え、お辞儀をする加奈子に拍手が送られた。最初は歌の披露だ。
一曲目は、某人気ガールズバンドの曲。ノリの良いロックナンバーだ。
加奈子は、その可愛らしい容貌からは想像できない、陳腐な表現をすれば「カッコ良い」声で、その曲を見事に歌い上げた。
観客からは拍手と共に指笛などが、ステージ上の加奈子に送られた。
二曲目は雰囲気をがらりと変え、女性シンガーのラブソング。少しマイナーな曲のようで、俺はアーティスト名を聞いてもピンと来なかった。
静かなピアノ伴奏が流れ始め、加奈子の声がそれに乗った。
女性視点で書かれた独白のような歌詞が、切ないメロディとマッチしていた。
その歌詞の中のあるフレーズが、なぜか引っ掛かった。
『貴方がいる それだけで もう世界が変ってしまう
モノトーンの景色が ほら 鮮やかに映る』
なぜこのフレーズが気になったのか、それはわからない。
わからないが、言葉が、メロディが、加奈子の歌が胸に沁みる。気付けば、俺の目から涙が流れていた。
「ははっ。すげえな、加奈子」
お前の歌、俺の心に響いたぜ。思わず涙が出るくらいにな。
大丈夫だ。お前の歌のスゴさ、きっと審査員連中にも伝わるよ。
二曲目を歌い終わると、会場がシンと静まった。
その中、俺の拍手だけが響き渡る。それに触発され、あちこちから拍手が鳴り、それは大きなうねりとなった。
さあ、今度はダンスアピールだな。
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