179:当然の帰結9 ◆hwowIh89qo
2011/10/23(日) 21:16:56.30 ID:zDIKKfku0
「……その、秋川が見てるんだが?」
「いいでしょ! 別に、呼んでくれなきゃ、もういっかい!」
「み、み……ミヤコ。もう寝ろ……な?」
夏原の精一杯の強がりとみた。うん。でも僕も冬森さんを名前で呼び捨てとかできないなぁ。
できるわけないし。お互いに“秋川君”“冬森さん”で納得している節がある。
ともかく、思惑通り名前で呼んでもらった春野さんは、満足したように笑って――ぐにゃり、と倒れて夏原の胸の中へと沈んでいった。
「俺は元々酒盛りには反対だったんだがな」
「……一番いいおつまみを頼む、で任せておけ! って叫んだのは誰だっけ」
「……むぅ」
言葉に詰まった夏原は、誤魔化すように咳払いをして、春野さんを適当なところに寝かせてやる。
僕らのすることは、さしあたって、この後片付けだろう。随分と散らかしてしまったものだ。……頭が痛くなるぐらいには。
「翌朝が楽しみだね、これは」
「よくて二日酔いだろうな」
かくて、僕と夏原二人で片付けと掃除を行い、全てが終わった頃には0時を軽く通り過ぎ、翌日へと食い込む程であった。
女性陣二人をいつまでもリビングに寝かすわけにもいかない、と二人が起きないように、それぞれをベッドに運んだりもした。
脱力した人間っていうのは、とてつもなく重い。軽い女性でもそう感じるのだから、相当だ。
運んだ場所、夏原の部屋のベッドはどう考えてもシングルだが、冬森さんが小さいのが幸いして、春野さんと冬森さんの二人が無理なく収まった。
ああ、くたびれた――と僕が身体を投げ打つ場所は、リビングのソファ。
……夏原は、床を選んだ。脱帽である。
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